研究概要 |
昨年6月にヒトゲノム配列の概要版が完成し、塩基配列にもとづいて新規のORF(Open Reading Frame)産物を同定することが可能となった。 1.ゲノム配列からの7回膜貫通型受容体遺伝子の同定 工業技術院電子総合研究所の諏訪らのグループと共同してドラフト配列からの遺伝子予測を行った。6つ全てのフレームから一定の長さ以上のORFをSwissprotに登録されている7_tmタンパク1,169個に対してBLAST検索を行った。また、SosuiやEngelmanのアルゴリズムによって膜貫通ドメイン数を予測して配列上では相同性の低いタンパクについての抽出も試みた。既知遺伝子を含めて1,000を越えるクローンがユニークな7_tmタンパクと考えられた。今後、オリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて発現プロファイルから組織特異性や薬剤応答性について検討を加える予定である。 2.機能未知のタンパク質によるシグナル伝達系の探索 予め各種レポーター遺伝子を組み込んだ培養細胞系を準備する。機能未知の新規遺伝子を発現ベクターに組み込み、上記の細胞系にトランスフエクションすることによって何れのシグナル伝達系が作動するかを解析することができる。同時にGeneChip解析を行うことにより、ネットワーク解析あるいはシミュレーションのための重要なデータになるものと期待される。 3.アッセイ系としては、FRETを用いての相互作用の検出に着手している。
|