研究課題/領域番号 |
11877038
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | HTLV-1 / Tax、 / Dnmt1 / CpGメチル化 |
研究概要 |
癌細胞でDNAメチル化異常が認められることは周知であるが、その誘導に関わる分子機構は不明である。細胞分裂=DNA複製後のゲノムのメチル化パターンの継承は"maintenance methylase=Dnmt1"に依存する。Dnmt1はDNA-Dnmt1-PCNA複合体形成を介して機能するが、本研究では、ヒト白血病ウイルスHTLV-1のoncoproteinであるTaxがp21WAF1の発現誘導を介してこのDNA-Dnmt1-PCNA複合体形成を競合的に阻害し、DNAメチル化パターンの継承を撹乱し、ゲノムのhypomethylation化を促進すると言う仮説に基づき、Taxがメチル化されたプロモーターを脱メチル化する事を解析する系の確立を目指した。HTLV-1感染T細胞株の解析では、ウイルス遺伝子を発現しTaxの存在する細胞ではIFN-γ等のサイトカイン遺伝子のプロモーター領域のCpGが脱メチル化しているのに対し、MT-1等のウイルス遺伝子の発現していない細胞株やJurkatではメチル化レベルが低下している事が明らかになった。さらにCdで誘導可能なTaxをもつJurkat細胞JPX9を用いて、Taxの発現とメチル化の相関の解析を試みた。しかし、JPX9はTaxの発現に伴いp21WAF1の発現が誘導されるが、2日目以降著明なアポトーシスを示す事から、DNA複製サイクルを経た後のCpGメチル化解析には適さないことが明らかになった。そこで、Taxによるアポトーシス誘導に対して体制を示すJPX9細胞の作製を試みる事にし、レトロウイルスベクターを用いてアポトーシス抑制因子であるCrmAを導入したJPX9-Crmを作製し解析を進めている。
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