研究課題/領域番号 |
11877054
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
嶋津 務 (財)癌研究会, 癌研究所・遺伝子研究施設部, 研究員 (90311224)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / X遺伝子 / EF-1α / 転写後調節 / EF-1αmRNA / GAPDH / B型肝炎ウィルス |
研究概要 |
1.B型肝炎ウイルス(HBV)X遺伝子を発現する組み換えアデノウイルスの作製 HBV X遺伝子の上流にP1ファージのCreリコンビナーゼによって認識されるloxP配列と、それに挟まれたスタッファー配列を持つ組み換えアデノウイルスを293細胞に感染させ、高力価の非感染型標的ウイルスを大量に精製した。同様にして、Creリコンビナーゼを発現する制御ウイルスを大量に精製した。次に、両ウイルスをHepG2細胞に共感染させ、Creリコンビナーゼによるスタッファー配列の切り出しが起こり、X蛋白質が発現することを、X蛋白質に対する抗体を用いたWestern blot法および細胞の免疫染色法で解析した。その結果、X遺伝子発現アデノウイルスの単独感染ではX蛋白質の発現は認められないが、Creリコンビナーゼ発現アデノウイルスとの共感染によって、X蛋白質の発現が認められた。加えて、X蛋白質の細胞内局在は細胞質とミトコンドリアであることがわかった。従って、本研究で確立した組み換えアデノウイルスCre/loxPシステムは、X蛋白質の発現を制御できる優れたシステムとして、in vivoにおいてX蛋白質によるヒトEF-1αmRNAの転写後調節機構を解明するために有用である。 2.内在性ヒトEF-1αmRNAレベルの解析 X遺伝子発現アデノウイルスを単独に、またはCreリコンビナーゼ発現アデノウイルスを共に感染させたHepG2細胞からRNAを抽出し、Northern blot法にて内在のEF-1αmRNAレベルを比較した。その結果、X蛋白質が発現している細胞でEF-1αmRNAレベルの低下が認められた。 3.GAPDHのEF-1αmRNA22塩基への結合活性の解析 X遺伝子発現アデノウイルスを単独に、またはCreリコンビナーゼ発現アデノウイルスを共に感染させたHepG2細胞から抽出した細胞質抽出液と、in vitroで合成したEF-1αmRNA22塩基に相当するRNAプローブを用いてゲルシフトアッセイを行なった。その結果、X蛋白質の発現によってGAPDHのEF-1αmRNA22塩基への結合活性の減弱が認められた。
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