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血管平滑筋における毒性評価方法の展開-有機塩素系化合物の血圧低下機序解明-

研究課題

研究課題/領域番号 11877063
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 衛生学
研究機関山口大学

研究代表者

奥田 昌之  山口大学, 医学部, 講師 (50274171)

研究分担者 芳原 達也  山口大学, 医学部, 教授 (10116501)
研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード血管平滑筋 / 細胞内カルシウム / Fura-2 / トリクロロエチレン / カルシウムチャネル / 有機溶剤 / 急性毒性 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / 平滑筋収縮作用 / 血圧低下
研究概要

われわれは今回の研究において有機塩素系化合物の細胞内のカルシウム濃度に対する影響を明らかにすることを研究した。実験系を確立するにあたりラットの大動脈血管平滑筋組織を使用した。平滑筋組織の細胞内にカルシウム濃度の指示薬である蛍光ケージ試薬(Fura-2)を取り込ませ、同時に平滑筋の収縮を張力トランスデューサーを用いて測定・記録した。組織を刺激したときに、ケージ試薬の蛍光強度増加を分光光度計で測定することで、細胞内カルシウム濃度上昇とその生理機能である収縮を同時に測定できることが可能になった。こうして我々は平滑筋収縮細胞内カルシウム濃度同時測定法を確立した。
今回の実験系においてトリクロロエチレン(以下TCI)を作用させた。ケージ試薬にはFura-2を使用した。TCI存在下において。等張性高カリウム液によるCa濃度上昇(ケージ試薬の蛍光強度増加)と収縮、ノルアドレナリンによるCa濃度上昇と収縮はどちらも抑制された。とくにTCI存在下では、相対的にノルアドレナリン刺激による細胞内Ca濃度と収縮の方が強く抑制された。TCIがCa2+-Free液中におけるノルアドレナリンによる細胞内カルシウム濃度上昇と収縮を減少させたことから、TCIは細胞外のカルシウム流入よりも、細胞内カルシウムの遊離を強く抑制するといえた。α1受容体から筋小胞体のカルシウムチャネル(IP3受容体)までの経路が、TCIによって抑制されていると考えられた。これまでTCIが障害性の機序として生理的なシグナル伝達に関連したと考えられたことは無い。
今回我々が確立した平滑筋収縮細胞内カルシウム濃度同時測定法によって、細胞内カルシウムを中心とした化学物質による障害の作用機序を明らかにすることができる。今後は、平滑筋組織だけではなく単離細胞も用いることでケージ試薬の測定精度をあげて、より詳細なTCI作用機序について研究する予定である。また、TCI以外の有機溶剤(トリクロロエタン、ジクロロメタン他)を用いた研究を行っていく。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Okuda Masayuki et.al.: "Effects of alcohol intake on mineral distribution in rats and on serum mineral Levels in human"Metal Ions In Biology and Medicine. 6. 550-553 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Okuda Masayuki et.al: "Three Cases of Thinner-Sniffing and Estimation The Fatal Concentration of Toluene by Toxicokinetics"Problems of Forensic Sciences. 105-111 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 奥田昌之 他: "事例報告-シンナー中毒による事例報告-"産業医学雑誌. 21. 27-30 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 奥田昌之 他: "アサリ中腸腺によるトリクロロエチレン及びテトラアクロロエチレンのトリクロロ酢酸への代謝"宇部短期大学環境科学研究所報告. 13. 37-39 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 奥田昌之 他: "女子学生の生活習慣と血液状値"体力・栄養・免疫学会誌. 8. 136-143 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 奥田昌之 他: "乳幼児を持つ母親の疲労と育児不安"体力・栄養・免疫学雑誌. 9. 30-39 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Okuda,M.et.al: "Estimation of the lethaltoluene concentration from the accidental death of Painting workers"Industrial Health. 38. 5-13 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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