研究課題/領域番号 |
11877100
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山谷 睦雄 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60261640)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 慢性肺気腫 / ヘムオキシゲナーゼ / 喫煙 / 遺伝子多型性 |
研究概要 |
<背景と目的>喫煙は肺気腫の危険因子である。一部の喫煙者に肺気腫が発症することより、肺気腫発症の背景に遺伝因子の関与が考えられている。欧米ではα1アンチトリプシン欠損症やマイクロゾーマル エポキサイド ハイドロラーゼ遺伝子多型性などの遺伝素因が報告されているが、日本では原因遺伝子は不明である。私たちは前年度の研究において抗オキシダント作用を持つヘムオキシゲナーゼ-1の遺伝子発現を制御するGT反復配列を持つ割合が肺気腫で高い遺伝子多型性を明らかにした(Am.J.Hum.Genet.2000)。肺気腫発症の原因遺伝子としてのGT反復配列の遺伝子多型性の関与を強固にするため、本年度は発症年齢が50歳未満の若年性肺気腫におけるGT反復配列が50歳以上の通常のGT反復配列と比べて違いがあるかどうかを比較検討した。 <検討結果>末梢血DNAのGT反復配列数30回以上の長い反復回数を持つクラスLのAlleleの割合は若年性肺気腫40Alleleにおいて9Allele(22.5%)で、通常肺気腫202Allele中42Allele(21%)と同等の割合を示し、非肺気腫喫煙男性200Allele中20Allele(10%)に比べて明らかに大きい値を示した。また、GT反復配列数30回以上の長い反復回数を持つクラスLの遺伝子型を持つ割合は若年性肺気腫20例において8例(40%)で、通常肺気腫101例中38例(38%)と同等の割合を示し、非肺気腫喫煙男性100例中20例(20%)に比べて大きい値を示した。 <考察>若年発症の肺気腫においても非肺気腫喫煙者に比べてGT反復配列の長い割合が高い結果となった。しかし、高齢発症の肺気腫と若年発症の肺気腫との間には差が認められず、発症年齢に関係する他の遺伝要因や環境要因の存在が示唆される。
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