研究課題/領域番号 |
11877108
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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研究分担者 |
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30281223)
中川 正法 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50198040)
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20159510)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | HAM発症 / 宿主要因解析 / 逆転写酵素阻害剤 / ROC曲線 / 重回帰分析 / HTLV-Iウィルス量 / cut off値 / 有効例、無効例 / HAM / HTLV-Iプロウイルス量 / HTLV-Iキャリア / PCR定量 / 疾患感受性 / 遺伝子多型 / HLA |
研究概要 |
逆転写酵素阻害剤投与例の増大とともにその有効例、無効例の出現が観察された。有効例においてはHTLV-Iプロウイルス量の軽減と臨床症状の改善が認められたが、無効例ではウイルス量に変化はなく、症状の改善も見られなかった。この原因の特定を特定するためにそれぞれの群でHTLV-Iウイルス増殖様式の差があるのかの検討を行った。即ちHAMは末梢血リンパ球中のHTLV-Iプロウイルス量が増加しているわけであるが、感染リンパ球が増殖しているのか、HTLV-Iウイルスそのものが増殖してリンパ球への感染を拡大しているのか宿主の応答の面から検討を加えたわけである。HTLV-I感染後に体内でHTLV-Iウイルスが増加しやすい環境を許してしまう個体では、逆転写酵素阻害剤での治療が有効でない可能性を示唆していると考えている。まずHAMとキャリアを区別できる可能性のあるHTLV-Iウイルス量について解決するために、0.5%ごとにHAM発症数、HTLV-Iキャリア数を算出し、ROC曲線を描画後に、cut off値を算出した。ROC曲線からは、HTLV-Iウイルス量2%で、感度80%以上、特異度80%以上でHAM群とキャリア群を区別できることが明らかとなった。この値で、HTLV-Iウイルス量と宿主因子のHAM発症への関連を解析したところ、HLA-DRB1^*0101は、HAM群でキャリア群より高頻度に見られた(χ^2=4.45、Odds ratio 1.80 95%C.I. 1.04-3.11、p=0.03)が、この傾向は、HTLV-Iウイルス量2%以下のHAM群で強く見られ(χ^2=4.18、Odds ratio 2.495%C.I. 1.02-5.67、p=0.04)、2%以上群では認められなかった。HLA-A^*02は、HAM群でキャリア群より有意に頻度が低く(χ^2=17.12、Odds ratio O.4495%C.I. 0.29-0.65、p=3x10^<-5>)、これはHTLV-Iウイルス量2%以下群で顕著であった(χ^2=6.73、Odds ratio O.39 95%C.I. 0.19-0.81、p=0.008)。2%以上群ではこの関係は認められなかった。HLA-B^*54では、HAM群で有意に頻度が高く(χ^2=12.46、Odds ratio2.43 95%C.I. 1.47-2.00、p=0.0004)、この傾向は、HTLV-Iウイルス量2%以上のHAM群で強く見られ(χ^2=8.45、Odds ratio 7.5 95%C.I. 1.74-32.30、p=0.003)、2%以下群では認められなかった。この情報を逆転写酵素阻害剤の有効例、無効例に応用して、有効性の予測が可能かの解析を加えた。残念ながらこの検討では、有効例、無効例の投与前の予測は症例数の問題があり、可能ではなかった。
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