研究課題/領域番号 |
11877111
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
白土 邦男 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004761)
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研究分担者 |
加賀谷 豊 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90250779)
今堀 良夫 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (80191899)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (80134063)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ポジトロン断層撮影 / ジアシルグリセロール / イノシトールリン脂質代謝 / 心筋梗塞 / 心室リモデリング / 情報伝達系 |
研究概要 |
循環器領域における分子レベルの基礎研究の進歩を広く臨床に応用するには、心筋の細胞内情報伝達系を非侵襲的に捉える方法を必要とする。我々は、ポジトロン標識ジアシルグリセロール、1-[1-^<11>C]butyryl-2-palmitoyl-rac-glycerol(^<11>C-DG)を用いて、生体の心臓におけるイノシトールリン脂質(PI)代謝の画像化の可能性を検討した。 1.ラット心筋梗塞モデルにおけるPI代謝回転の画像化 ラットの心筋梗塞モデルに^<11>C-DGを静注すると梗塞部で67%、非梗塞部で57%の放射活性がPI代謝回転に集まった。梗塞1日および7日後に^<11>C-DGを静注し、オートラジオグラフィを行った。梗塞部の放射活性を非梗塞部の値で標準化すると、梗塞1日後38%、7日後109%であった。一方、非梗塞部の^<11>C-DGの集積を右室自由壁で標準化した値は、両者で差がなかった。7日後には壊死心筋を囲んでマクファージおよびmyofibroblastが多数みられた。梗塞後3週間カプトプリルを投与した群では、有意な血圧と心重量の低下を認めた。標準化した梗塞部の^<11>C-DGの取込みは、カプトプリル投与群で有意に低下したが、残存心筋では変化がなかった。 2.^<11>C-DGによる心筋梗塞後のヒト心筋PI代謝回転の画像化の試み 広範な前壁中隔梗塞後の患者6人において、^<11>C-DGとポジトロンCTを用いて検討した。梗塞後6-9か月の患者では、梗塞部は欠損像となっていた。一方、残存心筋の^<11>C-DGの取込みは、心臓カテーテルで求めた左室拡張末期容量係数が大きい程高い傾向があり、さらに症例を重ねて検討する必要がある。我々は、ヒト心筋の細胞内情報伝達系を非侵襲的に捉える方法を初めて確立した。心疾患患者のPI代謝回転を評価するのみならず、種々の薬物による治療効果の判定に本法が有用かもしれない。
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