研究課題/領域番号 |
11877114
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
世古 義規 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30240708)
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研究分担者 |
三崎 義堅 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60219615)
山本 一彦 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80191394)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | myocarditis / dilated cardiomyopathy / T-cell receptor / cell-mediated immunity |
研究概要 |
1.マウスの実験的ウイルス性心筋炎の心筋組織内浸潤T細胞および脾臓リンパ球のT-cell receptor(TCR)のclonalityの解析: 今年度は、ウイルス性心筋炎のマウスの実験モデルを用いて、心筋障害を惹起していると考えられる心筋組織内の抗原(ウイルス抗原?)に特異的な浸潤T細胞(pathogenic T-cell)を単離し、その対応抗原(がウイルス抗原であること)を同定することを目的として、浸潤T細胞のTCRの抗原特異性(Vβ clonality)を脾臓リンパ球と比較検討した。同一心臓内部の異なる部位における発現パターン(集積cloneの数や種類)はほとんど一致しており、また個体間でも類似の発現パターンを示した。脾臓における発現パターンは心臓と異なっていたが、一部では一致するcloneも認められた。このことから、心筋組織内浸潤T細胞のTCRの再構築には脾細胞を用いることができる可能性が示された。 2.ヒトの拡張型心筋症(慢性心筋炎)の心筋組織内浸潤T細胞および末梢血リンパ球のTCR clonalityの解析: マウスと同様にヒトの拡張型心筋症(DCM)において遷延性の心筋障害を惹起していると考えられる心筋組織内浸潤T細胞を単離することを目的として浸潤T細胞のTCRのVβ clonalityを末梢血リンパ球と比較検討した。一般に末梢血リンパ球はpolyclonalでSSCP上smear patternとなるが、DCM患者6例ではsmearの中にexpandしたcloneを多数認めた。心筋内浸潤T細胞はoligoclonalで、SSCP patternは同一心臓内の各部位で変化したが、そのうち約40%のclonesが異なる3部位に共通であった。この各部位共通cloneはpathogenic T-cellの候補と考えられ、そのうちおよそ40%が末梢血中でもexpandしていた。以上より、DCMの病態にprimaryの役割を果たすT-cell cloneを末梢血中から分取することができる可能性が示された。
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