研究課題/領域番号 |
11877144
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
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研究分担者 |
大山 学 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10255424)
布袋 祐子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40265898)
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自己免疫 / 自己抗体 / 自己抗原 / 天疱瘡 / 反応速度 / バイオセンサー / BIAcore / 重症度 |
研究概要 |
近年、表面プラズモン共鳴現象を利用したバイオセンサーが開発され、蛋白質-蛋白質あるいは蛋白質-核酸間の相互作用を微量でしかもラベルすることなく、リアルタイムで観察することが可能となった。この方法の開発により、分子間相互作用の速度論的解析が身近なものとなった。天疱瘡は、表皮角化細胞膜表面に対するIgGタイプの自己抗体により水疱が生じる難治性の重篤な自己免疫性疾患である。多数の天疱瘡患者を経時的にELISA法によりその自己抗体の抗体価を検討してみると、症例間で比較すると抗体価は必ずしも重症度を反映していない。つまり、抗体価が比較的低値にもかかわらず重症な症例、あるいは、適切な治療の後病勢は寛解期にあるものの中等度の抗体価を残している症例も散見される。本研究の目的は、天疱瘡における抗原抗体反応の速度論的観点から解析し、臨床的重症度の違いを理論的に解明することにある。本年度は、臨床的に重症、中等症、軽症、寛解例と分けられた患者から得られた血清を用いて、それぞれの血清中に含まれる自己抗体の組換え蛋白に対する結合反応を速度論的にバイオセンサーシステムを用いて解析した。ELISA法にて得られる抗体価とバイオセンサーシステムを用いて得られる結合総量に相関が認められた。さらに、我々が開発した天疱瘡モデルマウスより、数種の抗Dsg3モノクローナル抗体を樹立した。現在、得られたモノクローナル抗体が病的活性をもつか、新生仔マウスの受動免疫の系で確認している。バイオセンサーシステムによる自己抗体の抗原への結合に関する速度論的解析は、新たな重症度の予測に有用であると思われた。
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