研究概要 |
乳酸菌の発現ベクター(pHS2010,pH2515,pH2311)のクローニング・サイトにKlebsiella aerogensのウレアーゼ遺伝子を組み込み、それらをcompetent化されたJM109(大腸菌)をtransformし、ウレアーゼ活性assay用LB plate(尿素とフェノールレッドが含まれており、ウレアーゼの活性が存在すると、尿素がアンモニアに分解され、アルカリ性となり、コロニーが赤色になる。)でウレアーゼ活性陽性クローン(US-pHS2010,US-pHS2515,US-pHS2311)をクローニングし、それぞれを大量培養後、各プラスミドの精製を昨年度に行った。それらを乳酸菌の一種、Lactobacillus caseiに既報のelectroporationによって導入した。乳酸菌のウレアーゼ活性はウレアーゼ活性assay用MRS plate(上記と同様の原理を乳酸菌用培地に応用したもの)で検討し、陽性コロニーを同定した。 上記の操作で得られたウレアーゼ活性陽性の各クローンを、糖源にLactoseを用いた Rogasa's mediumに植菌した。37度の好気条件で培養を開始し、培地のOD600が0.6に達したところで、培地中に尿素を添加する。添加後、経時的に培地を少量採取して、培地中の尿素濃度及びアンモニア濃度を測定し、各乳酸菌のウレアーゼ活性を定量した。その結果、ウレアーゼの発現が確認された乳酸菌クローンのウレアーゼ活性は増加していた。腎不全ラットに対してウレアーゼ発現乳酸菌を投与して血中尿素窒素への効果を検討するため、腎不全ラットを作成した。
|