研究課題/領域番号 |
11877181
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田中 大介 昭和大, 医学部, 助手 (30296983)
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研究分担者 |
福原 博篤 日本騒音防止協会, 技術顧問
荒川 薫 明治大学, 理工学部情報科学科, 教授 (30183734)
飯倉 洋治 昭和大学, 医学部, 教授 (30056882)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 新生児 / 未熟児 / 音環境 / 保育器 / 啼泣 / 発達 / 騒音レベル / 周波数分析 |
研究概要 |
平成11年度は主としてテーマ2とテーマ3中心の研究となりました。研究経過を以下に報告します。 テーマ1:保育器内の音環境 アトムメディカルV2100G及び他社製保育器の作動音及び操作音・遮音性能・共鳴・残響を測定し分析検討中。 テーマ2:新生児室及び新生児集中治療室における音環境 (1)新生児集中治療室における24時間の音環境について検討したところ、1時間毎の平均騒音レベルは54.1から72.2dB・Aの間にあり、最大では78.3dB・Aで、その主な構成要素としては、種々の警報音、児の啼泣、衝撃音、スタッフの声であった。これらの結果は平成12年7月に東京で開催される「第37回日本新生児学会総会」で報告予定。 (2)新生児室及び新生児集中治療室に設置されている、5社7機種の心拍呼吸モニターの同期音・アラーム音について音響学的評価を行った。平均騒音レベルは同期音で最小設定で58.5±10.4dB・A、最大設定で81.7±5.7dB・A、アラーム音では最小設定で67.8±14.9dB・A、最大では88.6±1.8dB・Aとなり、児の生活環境としては適切ではないと思われた。 テーマ3:新生児・未熟児の啼泣及び聴覚 (1)当院では、1997年10月より新生児用ABR聴力検査装置ALGOにて新生児聴力スクリーニングを行っており、NICUにおける測定結果は、原著論文(次頁参照)を作成し、「第102回日本小児科学会学術集会」で難聴児の経過を、「第36回日本新生児学会総会」では産科新生児室における聴力スクリーニングの試みについて、「第2回新生児呼吸療法・モニタリングフォーラム」においては平成11年11月現在までの難聴率(NICU群で3.8%、超・極低出生体重児で11%、正常新生児群で0.5%)や今後の課題などについて報告した。これらについては英文の原著論文を作成中。 (2)正常新生児の空腹時と疼痛時の啼泣について音響学的分析を施行した結果、空腹時の騒音レベルは91.4dB・A、疼痛時では95.4dB・Aで、疼痛時の周波数分析ではフォルマントははっきりしておらず、いわゆる声ではなく雑音のパターンを呈していた。この結果は「第44回日本未熟児新生児学会」で報告した。 (3)人工換気療法を施行した児について、呼吸器離脱直後からの啼泣の変化について、騒音レベル、及び、周波数分析を施行中。その結果については平成12年11月に新潟で開催される「第45回未熟児新生児学会」にて報告予定。
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