研究課題/領域番号 |
11877190
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
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研究分担者 |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
加計 正文 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90214270)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 摂食中枢 / グルコース / レプチン / オレキシン / NPY / POMC / ニューロン / Ca^<2+> |
研究概要 |
【研究結果】 1.(1)自由飲水・摂食8-10週令雄性SDラットから弓状核をパンチアウトし酸素処理により神経細胞を単離し、(2)灌流下に神経細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>])を画像解析してニューロン活動をモニターし、(3)グルコース・レセプチン・オレキシンの作用を測定した後、(4)免疫染色によりPOMC・NPY神経を同定する方法を確立した。 2.弓状核には、グルコース濃度の低下(8.3mMから2.8mM)に対して振動性の[Ca^<2+>]増加応答を示しNPYを含有するグルコース感受性NPY神経(GS-NPY神経)が約20%存在した。 3.脂肪細胞ob遺伝子産物レプチン(10^<-14>M-10^<-9>M)は、2.8mMグルコースにより誘発されたGS-NPY神経の[Ca^<2+>]増加を抑制し、一方POMC神経に[Ca^<2+>]増加を惹起した。 4.対照的に、摂食亢進作用を持つ視床下部外側野ペプチドのオレキシン(10^<-14>M-10^<-8>M)はGS-NPY神経に[Ca^<2+>]増加を惹起し、POMC神経の[Ca^<2+>]増加を抑制した。オレキシンによるGS-NPY神経の活性化はPLC・PKC・IP_3感受性Ca^<2+>遊離の阻害剤で抑制され、POMC神経の抑制はGTP結合蛋白Giの阻害剤で阻害された。 5.オレキシン神経終末はNPY神経とPOMC神経に接触していた。 【結論】 1.食欲・代謝中枢の単一ニューロン活動計測・解析法を確立した。 2.レプチンは生理的濃度でGS-NPY神経を抑制し、POMC神経を活性化し、これらはレプチンの摂食抑制ルートとして機能する。 3.オレキシンはGq-PLC-PKC+IP_3を介してGS-NPY神経を活性化し、Giを介してPOMC神経を抑制し、これらはオレキシンの摂食亢進機序であると推察される。 4.弓状核NPY、POMC神経はレプチンとオレキシンにより相反性二重制御を受けている。
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