研究課題/領域番号 |
11877197
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30216072)
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研究分担者 |
今村 正之 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00108995)
渡辺 剛 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50293866)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 食道癌 / 食道正常上皮 / 細胞内情報伝達 / シスプラチン耐性 / STAT |
研究概要 |
食道癌は難治性固形癌の1つであり、現在その治療法は、外科手術・放射線治療及び化学療法を組み合わせた集学的治療であるが、その治療成績に関しては決して満足のいくものではない。今回、現在の食道癌の化学療法の中心的薬剤であるシスプラチン(CDDP)に関しその臨床的効果判定ではなく、個々の食道癌細胞における情報伝達系という観点から、その細胞増殖抑制効果あるいはその作用機序の検討を行うことで、その細胞生物学的意義あるいは臨床応用の礎となるべく検討を行うことを目的とした。 まず、食道癌細胞株において転写因子Signal transducer and activalor of transcription(STAT)が上皮増殖因子(EGF)並びにインターフェロンガンマにて活性化されることを見出してきた。STAT1は現在、増殖抑制系の情報伝達系と考えられているが興味深いことに食道扁平上皮癌細胞株8株において検討したところインターフェロンガンマによる細胞増殖抑制を来した細胞株とCDDPによって細胞増殖抑制を来した細胞株には全く相関が認められず、全く異なったシグナル伝達機構を介した増殖抑制効果の存在の可能性が示唆された。現在、食道扁平上皮癌の細胞株および正常食道粘膜初代培養株を用いてCDDPおよびインターフェロンガンマによる刺激状態でのストレスタンパク質Mitogen-activated protein kinase(MAPK)のリン酸化状態を調べている。 本研究はインターフェロンガンマとCDDPとの併用療法により更なる腫瘍増殖抑制機構の増強による食道癌の生存率向上に期待が持てる重要な研究であると考えている。
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