研究課題/領域番号 |
11877228
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
大内 真吾 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10285603)
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研究分担者 |
千葉 直樹 岩手医科大学, 医学部, 助手 (80254754)
泉本 浩史 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10265150)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Marshall靭帯 / 心房細動 / cryoablation / CABG |
研究概要 |
本研究の目的は、術後の心房細動の発現を永久に予防することである。術前に洞調律であった冠動脈バイパス術(CABG)症例30例を対象に、心房細動発現のトリガーと思われるMarshall靭帯を、心表面より冷凍凝固(cryoablation)し、術後の心房細動発現頻度を比較検討した。Marshall靭帯を心表面より冷凍凝固した群15例と、冷凍凝固しなかった群15例とで、両群の素因(左房径、左室駆出率、陳旧性心筋梗塞の既往歴、CABGのグラフトの本数)に有意差はなく、また術後3日間の心房細動発現頻度は両群とも4例(27%)であり差を認めなかった。冷凍凝固した群のうち2例に術前に存在しない心房頻拍を認めた。今回の研究ではMarshall靭帯の冠状静脈端のみの冷凍凝固では心房細動の発現頻度を減少することはできなかった。むしろ不用意な冷凍凝固は、術後に心房頻拍の不整脈基盤を作ってしまう可能性も示唆された。また、興奮発現部位は必ずしもMarshall靭帯の冠状静脈端と一致しないことも報告されており、心房細動の発現を防止するには個々の症例に合わせた興奮部位の証明を行う必要があると思われた。今後、低侵襲かつ有効な冷凍凝固の方法の探求と、電気生理学的な心房細動発現の予測を行うことが切望される。
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