研究課題/領域番号 |
11877264
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荒井 俊之 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80175950)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 6-フォルミルプテリン / NAD(P)H / 活性酸素 / アポトーシス誘導 / 細胞増殖抑制 / 抗Fas抗体 / アポトーシス抑制 |
研究概要 |
まず、6-Formylpterin(6FP)が、ミトコンドリアの電子伝達系(呼吸鎖)で酸素と競合して電子を受容し、最終産物として過酸化水素を生成するか否かを調べた。 ・酸素電極を用いて、ヒト前骨髄球性白血病細胞株HL-60の酸素消費に及ぼす6FPの影響を検討したところ、6FPを加えることにより、酸素消費は増加したが、この増加は、ロテノンやアンチマイシン等の呼吸鎖阻害剤を用いても抑制することが出来ず、検討の結果、6FPは呼吸鎖で酸素と競合するのではなく、NAD(P)Hと反応して酸素を消費し、活性酸素を生じることが分かった。 次に、6FPがNAD(P)Hと反応して生じた活性酸素が細胞にどのような影響をもたらすかを調べた。 ・細胞は、ヒト前骨髄球性白血病細胞株HL-60、ヒト膵臓癌樹立細胞株Panc1ならびにヒトT細胞白血病細胞株Jurkatを用いた。 ・HL-60細胞の培養液に6FPを加え、0-2mMの濃度とし、3時間後にアポトーシスの有無を観察したところ、1-2mMの6FPはアポトーシスを誘導した。 ・Panc1細胞の培養液に6FPを加え、0-2mMの濃度とし、24、48、72、96時間後にブロモデオキシウリジンの取り込みをみることにより、細胞増殖への影響を検討したところ、1-2mMの6FPは細胞増殖を抑制した。 ・Jurkat細胞をFas刺激によりアポトーシスを誘導したところ、50-100μMの6FPはアポトーシスにともなうDNAの断片化を抑制した。 ・以上の結果より、6FPは細胞内で活性酸素を生じ、その活性酸素が、細胞種や発生量や周りの状況に応じて、アポトーシスの誘導、細胞増殖の抑制、Fas誘導性アポトーシスの抑制等をもたらすことが分かった。
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