研究概要 |
気管内挿管下で人工呼吸中の患者の苦痛はお喋りできないことである。気管内挿管下の人工呼吸中の患者のquality of lifeを改善するには,会話でコミュニケーションができる人工呼吸器の開発が不可欠である。そこで,顔面頸部の表面上から,舌を含む上顎,下顎,咽頭,喉頭の筋肉群の運動を筋電図波形として捕らえ,この顔面頸部からの筋電図を解析し,五十音,例えば,"あいうえお"に一致した特有の波形を特定する操作を繰り返した。筋電図モニター機能を有するバイオアンプで顔面頸部の表面筋電図をモニターし,筋電図の波形をパワーラブを介してコンピュータに記憶させ,個々の"あ""い""う""え""お"にほぼ一致した特有の筋電図パターンを特定する操作を繰り返した。顔面筋肉の動きに応じて筋電図波形の基線のゆれを勘案しながら、電極の位置による電位パターンの解析を繰り返した。日本語は、母音と子音からなる。筋電図パターン解析だけではある特定の個々の発音に一致する筋電図パターンの特定化は難しかった。この研究結果から、今後の方針として、筋電図パターンと連携した画像解析、または、ある特定の訓練を受けた人は口の動きを見て言葉を理解できるように、カメラを用いて画像をコンピュータに取り込み、口の動きから言葉に変換するシステムの開発を考えている。気管内挿管下の人工呼吸中の患者のquality of lifeを改善するには円滑に会話ができることが不可欠であり今後も研究開発を継続したい。
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