研究課題/領域番号 |
11877310
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山野辺 裕二 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (40284690)
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研究分担者 |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
藤井 徹 長崎大学, 医学部, 教授 (60136661)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 染色体転座 / ポジショナルクローニング / 疾患遺伝子 / 新規遺伝子 / 遺伝子発現 / 鏡像四肢多指趾症 / 14q13 / 分子遺伝学 |
研究概要 |
染色体転座t(2;14)(p23.3;q13)を伴う後極性鏡像多指症患者の転座切断点に、同疾患の原因遺伝子が局在し、転座によって遺伝子断裂が生じ発症したとの仮説の基に、転座切断点のクローニングと遺伝子単離を目的として研究を開始した。(1)染色体転座のうち、14q13領域に全長1.2-MbのBAC/PACクローンから成るコンティグを構築し、各クローンを用いてFISH法により転座点の同定を行った。その結果、14q13転座点はBAC B368に存在することが明らかになった。(2)Exon trap法、ランダムシーケンス法、CpGアイランドシーケンス法およびゲノムデータベースを利用し、転座点付近の遺伝子の同定を行った。その結果、既知遺伝子HNF3aと新規遺伝子(ORACLEと便宜的に命名)の一部を単離した。ORACLEの配列とデータベース上の登録データを総合した結果、同1.2Mb領域にはHNF3aとORACLE以外の遺伝子は存在しない。HNF3aは糖尿病原因遺伝子の1なので除外し、ORACLEが後極性鏡像多指症遺伝子の候補である。(3)ORACLEは、ゲノム上で400kb、コード領域が2kb、15個のエクソン(開始コドンはエクソン4)から成り、477アミノ酸をコードする。転座切断点はイントロン10または11にあり、患者ではコード領域が転座により断裂していた。(4)ノーザンブロット解析では、約1.2kbの転写物が成人の心・肝・骨格筋・腎・膵で発現し、脳・肺・胎盤では発現がない。胎児組織では弱く発現している。(5)マウスOracleホモログの一部をクローニングし、9,10,11,12週齢マウス胎児における全組織in situ hybridizationを行い、発現を確認したが、肢芽特異的な発現は未確定である。(6)類似の鏡像多指症患者2名においてORACLEの変異解析を行ったが、疾患特異的変異は未同定である。
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