研究課題/領域番号 |
11877325
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐藤 俊英 長崎大学, 歯学部, 教授 (60013968)
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研究分担者 |
藤山 理恵 長崎大学, 歯学部, 助手 (10274664)
宮本 武典 長崎大学, 歯学部, 助手 (10167679)
岡田 幸雄 長崎大学, 歯学部, 助教授 (60136687)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 味覚 / 薬剤性味覚障害 / メキシチール / マウス / K^+電流 / 味細胞応答 / パナルジン / cAMP / 四基本味 / ラット / 味神経応答 / 味細胞 / Ca^<2+>チャネルのブロッカー / 細胞内情報伝達の抑制 |
研究概要 |
マウスの茸状乳頭から味蕾を単離した。味蕾中の味細胞からホールセルクランプ法で膜電位・電流を導出した。マウス味細胞の膜電位を-70mVから90mVにステップ状に電位を固定すると最初にNa^+による一過性の内向き電流が生じ、続いてK^+による外向き電流が生じる。心筋の不正脈と期外収縮をブロック作用を有するメキシチールを味細胞の基底外側膜に投与してイオン流に対する効果を解析した。100-200μMのメキシチールによって、内向きNa^+電流は若干抑制されたが、外向きK^+電流は大幅に減少した。ランプパルスで電位を変化させて、膜電位-膜電流の関係を分析すると、外向きK^+電流も内向きK^+電流も共にメキシチールの濃度に依存して大幅にブロックされた。自発性に活動電位を発生している味細胞にメキシチールを投与すると、100μMでは小さな膜分極によって活動電位の頻度が上昇したが、200-500μMでは大きな膜分極の発生によって活動電位の発火は停止した。抗血栓剤のパナルジンの味細胞活動に対する作用を検討した。10μMパナルジンの投与は外向きK^+電流を約30%減少させたが、内向きK^+電流を増大させた。この内向き整流性K^+電流はパナルジンの濃度に依存して増大したが、薬物を洗っても対照値に回復せずに逆に大きな内向き電流になった。パナルジンは細胞内のcAMPを上昇させる作用を有するので、おそらく内向き電流の増大はcAMPの増大による内向き整流性K^+チャネルの活性化によると考えられる。薬をリンスしても元の値に戻らないのは、cAMPの効果が持続しているためと思われる。
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