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唾液腺多形性腺腫の血管に乏しい間質の分子病理学的特性とCT造影性

研究課題

研究課題/領域番号 11877330
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 病態科学系歯学(含放射線系歯学)
研究機関新潟大学

研究代表者

朔 敬  新潟大学, 歯学部, 教授 (40145264)

研究分担者 林 孝文  新潟大学, 歯学部, 助教授 (80198845)
木村 信  新潟大学, 歯学部, 助手 (80251825)
程 くん  新潟大学, 歯学部, 助手 (40207460)
依田 浩子 (米持 浩子)  新潟大学, 歯学部, 助手 (60293213)
開 祐司  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40144498)
研究期間 (年度) 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードコンドロモデュリン-I / 血管新生抑制因子 / 唾液腺多形性腺腫 / 唾液腺筋上皮腫 / CT造影画像診断 / in-situハイブリダイゼーション / 初代細胞培養 / RT-PCR
研究概要

唾液腺多形性腺腫の間質はきわめて多彩であるが、その特徴的な軟骨様・粘液様間質には血管分布が乏しい。その間質の病理組織学的特性と画像診断学上の特性とを対比検討するために以下の実験ならびに臨床データの解析をおこなった。
唾液腺多形性腺腫70症例、筋上皮腫30症例のフォルマリン固定パラフィン切片とPAP法によってUEA-Iレクチン結合および血管内皮細胞マーカCD31の免疫組織化学的局在から腫瘤の間質および血管分布様式を定量的に対比した。また、軟骨基質の血管新生抑制因子コンドロモデュリン-I(ChM-I)の蛋白質レベルの局在を免疫組織化学的に、遺伝子レベルの発現状況をin-situハイブリダイゼーション(ISH)ならびにRT-PCRによって、腫瘍組織および多形性腺腫由来初代培養細胞について検討した。さらに、高速らせん型CT装置によるCT血管造影像を経時的に撮影し、造影強度計測した。
この結果、多形性腺腫では、腫瘍の実質細胞によって生合成されたいわゆる軟骨様・粘液様間質は本来の支持組織としての脈管神経をいれた線維性結合組織ではなく、血管分布がきわめて乏しいことが示された。いっぽう、筋上皮腫では、基本的組織構築として、血管豊富な支持組織としての線維性間質が存在し、両腫瘍の血管分布密度には大きな相違があった。これを裏づけるように、多形性腺腫のCT造影は、血管より遅れて開始し、血管消退後もより長く持続し、その造影像は不均一であるのに対し、筋上皮腫は、血管と同調した造影の推移を示した。さらに、多形性腺腫の粘液様あるいは軟骨様間質にはChM-Iが腫瘍細胞とともに基質に局在し、同部の腫瘍細胞にはChM-I遺伝子の発現がみられた。また、多形性腺腫由来の初代培養細胞でも、ChM-Iの発現が蛋白質ならびに遺伝子レベルで確定できた。
以上の結果より、多形性腺腫の間質には血管新生を抑制する環境があり、乏血管性間質はCT造影性にも反映し、血管分布を多形性腺腫鑑別診断の指標としうることが明らかになった。

報告書

(1件)
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 程 くん ほか: "唾液腺多形性腺腫と筋上皮腫における間質内血管分布様式の比較検討"日本病理学会会誌. 88. 248 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 程 くん ほか: "筋上皮腫における血管分布とコンドロモデュリン-I局在様式の対応"歯科基礎医学会雑誌. 41. 471 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 朔 敬: "唾液腺多形性腺腫の組織構築-診断の背景としての生物学的特性-"日本口腔外科学会雑誌. 45. 847 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 宮本 猛 ほか: "硬口蓋に発生した筋上皮腫の1例"日本口腔外科学会雑誌. 45. 873-874 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 朔 敬 ほか: "唾液腺筋上皮腫"病理と臨床. 17. 824-825 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-11-11  

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