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エナメル蛋白のミクロ相分離構造によるアパタイト結晶の配向制御

研究課題

研究課題/領域番号 11877341
研究種目

萌芽的研究

配分区分補助金
研究分野 補綴理工系歯学
研究機関岩手医科大学

研究代表者

荒木 吉馬  岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20005036)

研究分担者 昆 隆一  岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80285634)
齋藤 設雄 (斉藤 設雄)  岩手医科大学, 歯学部, 講師 (70137537)
研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードエナメル蛋白 / 石灰化組織 / 原子間力顕微鏡 / 相分離 / 結晶配向 / エナメル形成
研究概要

エナメル質の形成機構のうち特にアパタイト結晶の規則的な集合構造を構築する物理化学的機構の解明を目的として、ウシ胎児から採取した幼若エナメル質の構造を直接原子間力顕微鏡による分子レベルでの観察を目指し、マトリックス蛋白相と結晶との凝集状態を明らかにすべく観察実験を試みた。
被検体として未萌出歯を樹脂包埋し、歯のほぼ中心を通り、歯軸に平行な厚さ1.5mmの切片を切り出した。切片を耐水研磨紙#4000まで研磨したものを観察試料とした。原子間力顕微鏡観察は、Si_3N_4チップを付けたカンチレバーを用いて、接触モードで行い、凹凸のイメージ像を記録した。観察部位はエナメル質のほぼ中央に設定し、走査範囲は10×10umから順次狭めて、今回は100×10nmまで観察像を得た。
被検歯エナメル質は爪を当てると圧痕が付く軟らかい状態である。10×10um範囲の比較的低倍観察で、エナメル小柱の集合体が明瞭に観察された。小柱一本一本は直径100nm程度の棒状を呈し、それらが束になっている状態である。その配列は、ほぼ平行であるが、小柱と小柱の間は互いに融合している部分と、かなり隙間がある部分が認められた。順次走査範囲を狭め、小柱1本を100×100nmまで拡大観察すると、棒状の小柱がさらに微結晶を包む棒の束であることが観察された。棒状物の直径は25〜40nmであり、おそらくアパタイト結晶をマトリックス蛋白が包んでいる構造であると思われる。現段階の観察レベルから、エナメル微結晶は棒状のマトリックス蛋白の中で成長し、その集合体(束)が1本の小柱を構成し、さらにその小柱が束状になってエナメル質の構造を作り上げるものと考えられる。その構造が完成してゆく過程の蛋白の分子レベルでの作用は、まだ不明であるが、解像度を高めれば、さらに明らかになるものと考える。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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