研究課題/領域番号 |
11877357
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野田 政樹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50231725)
|
研究分担者 |
山下 照仁 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (90302893)
二藤 彰 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00240747)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | メカニカルストレス / オステオポンチン / 骨吸収 / 骨形成 / 歯牙 / ノックアウトマウス / 骨粗鬆症 / 転写因子 |
研究概要 |
オステオポンチンは、骨芽細胞並びに破骨細胞が産生する蛋白であり、骨基質にある非コラーゲン性の蛋白として比較的大量に存在するものである。オステオポンチンの存在はメカニカルストレスによって促進されることが、細胞を用いた実験並びに歯の移動によるモデルにおいて報告されている。しかしながらこれらのオステオポンチンの発現がいかなる生体における影響を持つかについては、十分には明らかでなかった。今回、オステオポンチンの生体内におけるその意義を明らかにするために、メカニカルストレスとして歯の間にゴムバンドを挿入することによりメカニカルストレスを加え、これによって起こる歯の動きについての検討を行った。この結果、ゴムバンドによって圧迫を加えた歯のレントゲン写真では歯根膜の圧迫が明らかであり、また一部の骨においては骨の吸収が観察された。この吸収像は、レントゲン像で野生型のマウス並びにオステオポンチンのノックアウトのマウスの双方において観察された。さらにこの骨吸収がオステオポンチンによっていかに影響されるかを調べるモデルとして非常に急激な骨の吸収が観察される卵巣摘除マウスを用いた検討を行った。この卵巣摘除マウスにおいては、野生型において急激な骨の量の減少が、マイクロCTによる骨量の検索から、野生型で約50%の減少として認められたにもかかわらず、オステオポンチンのノックアウトマウスでは、この減少の量が明らかに抑制されていた。以上のことから、オステオポンチンの機能は急激な骨吸収における生体内での正の役割を持つことが明らかになった。歯の移動における骨の吸収に対するオステオポンチンの下流の機構をさらに今後分子レベルで解明し、卵巣摘除型の吸収や炎症型の吸収との比較の上で、オステオポンチンのメカニカルストレスの上での機能をさらに明らかにしていくことが今後重要と考えられた。
|