研究課題/領域番号 |
11877379
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
小藤 恭子 北陸大学, 薬学部, 助手 (00247488)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | chitosan / gel / biodegradation / sustained release / amino acid / chondrotin sulfate |
研究概要 |
埋め込み型徐放性製剤の開発を目的に、生体適合性、生体内分解性を有する天然多糖類であるキトサンを用いて薬物保持担体の調製を試み、その薬物放出挙動、並びに生体内分解性について検討した。 1.ゲルビーズの調製と薬物固定化:ゲル形成のための水溶液中にアミノ酸(アミノ基を有する化合物)を添加することにより、その添加量に伴いキトサンが球状のゲルを形成し得るpHは低下した。そのゲル形成時間はアミノ酸種により若干異なるが、水溶性の高い薬物においてもある程度の固定化が可能であった。しかし、キトサンの性状(高説アセチル化、または低分子量の場合)によってはゲル形成が不可能な場合があった。 2.薬物放出挙動:本ゲルビーズからの薬物放出挙動は、キトサンを溶解させる塩の種類、ゲル形成のための水溶液中に添加するアミノ酸の種類、及びゲル調製時間に影響されない。本ゲルからの薬物放出は単にアルカリのみで調製した場合に比べ有意に抑制された。しかし、アミノ酸存在下でも強アルカリ条件では薬物放出速度は速くなった。 3.薬物放出コントロール:カチオン性のムコ多糖類であるキトサンと静電的相互作用を有すると考えられる全分解性を有するアニオン性のムコ多糖類であるコンドロイチン硫酸によるゲルの修飾を試み、ゲルビーズからの薬物放出コントロールが可能であることを見出した。 4.生分解性:キトサンを本法によりゲル化させた場合にも、lysozymeにより脱アセチル化度に依存する分解性を示すことを確認した。また、本ゲルをマウス背部皮下に作製した空気嚢中に埋め込んだ場合にも薬物徐放化能を示し、また、キトサンの物性によりゲルの分解速度をコントロールできる可能性が示唆され、検討を継続して行っている。 5.微粒子化:水溶液中でのゲル化、及びW/Oエマルションからのゲル化について検討を行い、粒子径5μm程度のゲルを得ることができたものの、いずれも収率が悪く、更なる条件検討を継続中である。
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