研究課題/領域番号 |
11877386
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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研究分担者 |
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 助手 (90241348)
甲斐 広文 熊本大学, 薬学部, 助教授 (30194658)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スルホニルウレア / グリベンクラミド / マクロファージ / CD36 / スカベンジャー受容体 / ACAT / コレステロール代謝 / クリベンクラミド |
研究概要 |
申請者らは糖尿病治療薬スルホニルウレア剤(SU剤)の受容体分子探索の過程で、SU剤glibenclamide(GB)で光アフィニティラベルされる新しいタンパク質として、マクロファージ(MΦ)のCD36分子を見い出した。この興味深い知見を端緒として、本研究ではMΦや脂肪細胞における脂質およびコレステロール代謝の点から解析し、またその結果を活かした新しいタイプの動脈硬化抑制薬開発の可能性を検討した。2年間で得られた結果は以下の通りである。 (1)MΦおよびCD36遺伝子を強制発現したCHO細胞によるox-LDLの取り込みと分解活性を、GBは有意に阻害することが示された。 (2)MΦにおいて、コレステロール代謝に深く関わるキー酵素ACATの活性もGBにより阻害するとの興味深い知見を得たが、いくつかの新規SUアナローグの比較より、疎水性の高い化合物が強い阻害活性をもつ傾向を示すことがわかった。 (3)脂肪細胞においても、GBをはじめとするSU剤は、CD36(=FAT)を介すると考えられる中鎖脂肪酸・オレイン酸の細胞内取り込みを阻害した。その阻害能は、膵β細胞でのインスリン分泌活性能とは対応していないこともわかった。 (4)以上の結果から、SU剤は新しいタイプの動脈硬化抑制薬のプロトタイプとなる可能性が強く示唆された。今後この方向で研究を展開し、新規動脈硬化抑制薬の開発を目指したい。
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