研究課題/領域番号 |
11877413
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
澤田 康文 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (80114502)
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研究分担者 |
松尾 浩民 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (60274479)
高長 ひとみ 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20284523)
浦江 明憲 九州臨床薬理クリニック, 医長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | P-糖蛋白質 / MRP2 / cMOAT / 消化管吸収 / サキナビル / ビンブラスチン / 吸収改善 / オレンジジュース / グレープフルーツジュース / p-糖蛋白質 / バイオアベイラビリティ / ポリメトキシフラボン |
研究概要 |
オレンジジュースから、P-gpに代表されるABCトランスポータ(ATP結合カセットをもつ薬物輸送蛋白)を阻害する成分として、ポリメトキシフラボン類を見出し、特許を申請した。続いて我々はこのポリメトキシフラボン類が、多剤耐性化したヒト白血病由来培養細胞において、抗癌剤の細胞内移行を大幅に改善することを示した。さらに、多くのP-gp阻害剤が薬物代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)をも阻害し薬物間相互作用を惹起することが懸念されている一方、我々が見出したポリメトキシフラボンは、CYPを阻害しないことを明らかにした。 また、消化管の吸収モデルであるCaco-2細胞を用いて、抗癌剤であるビンブラスチンと、HIV治療薬であるサキナビルの経細胞輸送に対する各種ジュース成分の影響を検討した。その結果、ビンブラスチンやサキナビルの低い吸収率にはP-gpのみならず、MRP2(multidrug resistance-associated protein2/cMOAT)も寄与していることが明らかとなった。また、オレンジジュース成分は、P-gp、MRP2両方を介したビンブラスチン及びサキナビルの細胞外への排出を阻害することにより、これらの吸収を促進することが示された。 さらに、P-gpトランスフフェクタント(LLC-MDR1)細胞及びMRP2トランスフェクタント細胞(LLC-MRP2)を用い、基質(ビンブラスチン及びサキナビル)の取り込みに対するオレンジジュース及びグレープフルーツジュース成分の効果を検討した。その結果、ジュース成分による取り込み亢進作用は、用いる基質薬物によって異なることが明らかとなった。このため、対象とする薬物に応じて適切な配合剤を選択する必要があることが示された。
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