研究課題/領域番号 |
11878029
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
田代 真 国士舘大学, 文学部, 助教授 (90221382)
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研究分担者 |
加藤 幹郎 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (60185874)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 多言語衛星放送 / デジタル放送 / エスニック集団 / 語学教育 |
研究概要 |
日本や米国などの一国内に居住する外国系エスニック集団は複数の極小共同体を個別に構成し、その中で各自の伝統文化を維持しつつ、より大きな共同体(異なる隣接エスニック集団や、上位共同体である日本や米国そのもの)との意思疎通や文化交流に大きな困難を覚えるという深刻な社会状況が近年大きな問題となっている。米国の場合、エスニック集団はグリーンカード取得候補者や季節労働者(市民権取得の希望のない非合法越境者)や難民や新旧の亡命者集団等が各行政地区の特定地域内に極小エスニック共同体を構成している。日本の場合も、近年、米国の社会状況に似始めている面がある。本研究は、こうした同一国語(日本語や英語)の使用地域内に分散居住しながら、その国語を取得できないまま自国(外国)語使用をやめない外国系エスニック集団の「国語」教育に衛星放送やケーブル・テレビ、FMラジオ等の多言語=多チャンネル放送がはたしうる役割と可能性を、米国のTVアーカイヴや放送機関等の現地調査を通じて研究したものである。現在、衛星放送は技術的に8重音声放送が可能であり、それゆえ地球全体をスバーする衛星3機で、合計24種の多言語放送が可能となる。衛星一基で300チャンネル放送を行うとして、理論的には総計7200種類の多言語放送が可能であり、これは公式国語と非公式方言とを問わず、現在地球上で使用されている全言語をカバーできる数字である。要するに、(1)新移民や外国人労働者は自分が潜在する国の言語や文化を理解する経済的余裕がないままに自分のエスニック集団に埋没しがちだが、その国語修得教育を衛星放送等の多チャンネル放送が行うことができる。同時に、(2)多チャンネル放送は各エスニック集団内の自国文化の伝統を継承するセンターとして役立つことができる。さらに(3)多チャンネル放送は、彼らの独自文化と多文化との交流センターにもなる。
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