研究概要 |
本研究の目的は,今まで行って来た定性的確率および定性的効用関数の研究を融合し,定性的な意思決定理論を構築することである.今年度の成果は以下である. 優先順位つき極小限定における最選好モデルの新しい計算手法の提案および実装 前年度提案した最選好モデルの計算手法では,線形計画法を1回解くことによって,極小モデルを1つづつ計算することができるが,極小モデルが少なくなるにつれて,計算時間が増大するという問題点があった.この問題点を解決するために,Nerodeらの方法を修正することによって,優先順位の各階層の計算を順に求めて行くことで,その計算時間の増大を緩和する手法を提案した.これによって,より実現性の高い意志決定エンジンのモデルを構築できた. ソフトウェアの要求工学への応用 決定理論の応用として,ソフトウェアの要求工学に関する検討を行ない,ソフトウェアが変更されたときに,優先順位にしたがって,どの部分の変更が必要であるかを決定する理論を構築した.
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