研究課題/領域番号 |
11878098
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大塚 康夫 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (20091663)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ダイオキシン / De Novo合成 / 有機塩素化合物 |
研究概要 |
ゴミの焼却過程や鉄鉱石の熱結過程におけるダイオキシンの発生の主要なメカニズムとして、塩素源であるHClやCl_2、芳香環のプリカーサーとなる炭素源、そして、触媒作用を示す金属化合物が、複雑に関与するDe Novo合成が示唆されている。そこで、本研究では、このメカニズムを明らかにする目的で、炭素上における有機塩素化合物の生成に対する炭素ソースや触媒の種類の影響を調べた。金属化合物を添加した炭素をHCl気流中で熱処理し、得られた試料をXRD、XPS、TEMで分析した。 銅イオンや鉄イオンを含む金属化合物を用いて、炭素の種類(活性炭、グラファイト、石炭)や触媒の添加法(物理混合法、含浸法、イオン交換法)を変化させたところ、熱処理後のHCl濃度やXRDプロファイルには大きな差違は認められなかったが、XPSスペクトルには明瞭な違いが現れた。含酸素官能基を多量に含む石炭に上記の金属イオンを添加し、これを熱処理して得た炭素試料上にHClを流通させたところ、一定の熱処理温度範囲では、炭素表面に有機塩素化合物が生成した。同時に、ダイオキシンのプリカーサーである塩素化したベンゼンやフェノールも検出された。触媒の存在状態をXRDやTEMで解析した結果、この炭素上には10〜20nmの微粒子が高分散状態で存在していた。つまり、ナノスケールの微粒子触媒が有機塩素化合物の生成を促進し、この化学種がダイオキシンのDe Novo合成に深く関与していることが明らかとなった。
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