研究課題/領域番号 |
11878116
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹安 邦夫 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (40135695)
|
研究分担者 |
佐藤 雅彦 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20283575)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | Na / K-ATPase / 核移行 / 細胞内輸送 / Na^+ / K^+ATPase / ウアバイン |
研究概要 |
外的刺激に対する細胞内反応には、チロシンキナーゼ型受容体やG-タンパク質結合型受容体といった細胞膜受容体を介するもの、ステロイドホスモン受容体などの細胞内受容体を介するものなど、あるいはHSP70といったストレス誘導型タンパク質を介するものが知られている。これらの反応系は全て細胞内情報伝達経路として複雑なキナーゼ系を経由する。一方、我々は最近、これまで細胞膜輸送体として知られていたNa/K-ATPase(分子全体またはその一部)が細胞膜から核へ直接運ばれ転写因子として働くことを示唆する結果を得た。これは次の2つのことを意味する:(1)細胞膜から核への情報伝達経路として第二・第三の分子を介さない最も単純な系の存在、(2)Na/K-ATPase分子全体が転写因子である場合、細胞膜から核への逆行性小胞輸送系の存在。 本研究では、この新経路の更なる特徴づけを目指し、以下の結果を得た。 (1)転写因子としての機能ドメインの同定:酵母の2-ハイブリッド系を用いてNa/K-ATPase(αサブユニットのSer^<692>-Thr^<177>が転写調節活性を有することを示した(Ogita et al.,2000)。 (2)核マトリックスにおけるNa/K-ATPaseの動態:まず、TritonX-100、硫安を用いた核・核マトリックスの精製法を確立した。ついで、この方法を培養細胞に適用して、Na/K-ATPase(α、β両サブユニット)が核マトリックスに存在すること、また、細胞のウアバイン処理によりその量が増加することを示した(Yoshimura et al.,2000)。 研究代表者らは既にイオンポンプとしてのNa/K-ATPaseの機能ドメインモデルを提唱したが、 本研究計画により、新たに転写因子としての機能ドメインがNa/K-ATPase中に同定された。また、細胞膜から核への新しい細胞内膜輸送経路の存在が確認された。
|