研究課題/領域番号 |
11878121
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
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研究分担者 |
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
山下 純 帝京大学, 薬学部, 講師 (80230415)
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 教授 (40130009)
近藤 佐知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (10286982)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カンナビノイド / アラキドノイルグリセロール / モノグリセリド / アナンダミド / アラキドン酸 |
研究概要 |
我々は、内在性カンナビノイドレセプターリガンドである2-アラキドノイルグリセロールが、カンナビノイドCB1レセプター依存性機構により、培養神経系細胞であるNG108-15細胞において、速い一過性の細胞内遊離Ca^<2+>濃度上昇をもたらすことを見いだした。次いで我々は本化合物の構造類縁体を24個合成し、それらの上記活性を同様に測定したところ、2-アラキドノイルグリセロールが最も生理活性が強いことが分かった。即ち、その活性は0.3nMで認められ、最大活性は他のすべての類縁化合物よりも強かった。合成カンナビノイド受容体アゴニストであるHU-210やCP55940でも0.3nMという低い濃度で同様の活性が見いだされたが、最大活性は2-アラキドノイルグリセロールのものよりも低いものであった。もう一つの内在性カンナビノイドレセプターリガンドとして知られる化合物であるアナンダミドも、この活性測定システムでは部分アゴニストとしてしか働かなかった。また、遊離アラキドン酸にはこれらの活性は認められなかった。更に、代謝的に不活性な2-アラキドノイルグリセロールのエーテル型化合物にも、活性それ自体は低いものの、アゴニストとしての活性が認められた。また、様々なカンナビノイド受容体アゴニストで細胞を前処理すると2-アラキドノイルグリセロールの反応が消失した。以上のような結果は、本来のカンナビノイドCB1受容体リガンドは2-アラキドノイルグリセロールであり、このカンナビノイドCB1受容体リガンドが生体内でのもともと存在する内在性リガンドであることを強く示唆するものである。次に2-アラキドノイルグリセロールの生合成機構について検討を行い、本化合物はラット脳ホモジェネートにおいてホスファチジールイノシトールから主に生成されることを明らかにした。
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