研究課題/領域番号 |
11878133
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
和田 明 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80025387)
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研究分担者 |
吉田 秀司 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60288735)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | プロテオーム / 2次元電気泳動法 / 大腸菌 / 加齢 / 定常期 / 翻訳 / 二次元電気泳動法 / リボソーム / ribosome modulation factor |
研究概要 |
大腸菌を培養したとき約7日間継続する定常期を、われわれは対数期に成立した細胞集団のlife timeと定義した。そしてこの定常期に形成される100Sリボソームの消長を指標にとると、定常期が4つのsubphaseからなるmultiphasicな過程であり、このsubphaseの一方向的な移行を大腸菌の加齢現象と捉えることができることを示した。 この萌芽的研究ではわれわれが開発したRFHR(radical-free and highly reducing)2-D PAGEを用いて、その2次元ゲル上に検出しうる全蛋白の、定常期における時間変化を調べた。その結果、65個の細胞増殖期特異的蛋白を検出し、そのうち39個の遺伝子を同定した。検出された65個の1/4は定常期の全域に見出されたが、残り3/4は定常期の限られた時期に出現消滅した。このことは定常期において大腸菌が刻々蛋白構成を変化させながら生存率を維持していることを示している。この一方向的で、かつドミノ倒し的な蛋白構成の変化は、先に100S形成で見られた大腸菌の加齢現象を、更に精緻に、かつ包括的に捉えたものといえる。 同定された39個のうち4個はリボソーム関連の蛋白であり、いずれも定常期の全域に存在している。このうちRMF(ribosome modulation factor)は100Sを形成させる因子であり、YhbH蛋白も100Sに特異的に結合する。100S形成をめぐる両者の関係の解明は今後の課題である。膜透過に関係する蛋白が8個同定されており、これらは定常期後半に増加してくる傾向を持っている。 DNA結合蛋白は3個同定されたが、いずれも定常期初期に出現消滅する。又、同定された蛋白の19個は機能不明のy遺伝子であった。 これら増殖期特異的蛋白の発現は時間の経過に従って相互に関係しているに違いない。この解明も今後に残されている。
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