研究概要 |
本研究では多次元画像流速計測システムを評価するための標準を策定するを念頭において,当面,次の2項目の調査研究を実施した.すなわち,PIVを中心に,多次元画像流速計測システムに関する先端研究の動向を調査すること,およびシステムにおけるパラメータの調査・分析を通して,評価手法の構築に必要な国際共同研究のテーマを設定することに絞った作業を行った.前者については,調査対象として,極小流,極大流,高速流,混相流,燃焼反応流,バイオ関連,環境問題,先端素材,宇宙・無重力,放射光利用,超高速度・高解像度画像入力装置の11分野を選び,分担してそれぞれの分野におけるPIV技術,多次元画像流速計測の先端情報を内外の文献165から分析し整理した. 後者に関しては,2回の海外研究調査と3回の国際会議時における打ち合わせによって,国際共同研究テーマを設定し提案することができた.世界の研究者が,3項目のテーマ,State-of-the-arts問題としてそれぞれのもつPIVシステムによってチャネル乱流を対象に,乱流統計量のPIVデータベースを作成すること,Technical-break-through問題として気泡混相流の微細構造をどこまで評価できるか探ること,およびImage-analysis問題としてDNS数値解析結果からの標準画像によるPIV計測結果の比較を通してシステム評価標準の策定資料を得ること,について研究を行い,2001年9月に成果を持ち寄り,討論することにを米国,欧州の研究者と合意することができた. 本研究を通して,PIVを中心に多次元画像流速計測システムの先端研究および今後の動向を見ることができ,同時に,PIVシステムを定量的に評価するための基礎データ蓄積に関する米国,欧州と日本の国際共同研究の設置を我が国がイニシアティブをとって計画することができた.
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