研究概要 |
波長集積とは,コヒーレントな光波長(あるいは光周波数)資源の極限までの有効利用を目指した多波長レーザ光源,紫外から遠赤外までの広帯域発生,広帯域増幅,波長変換,波長掃引,超高速波長スイッチング,波長選択,波長ルーティングなどの,光波長を並列的に操作あるいは制御する技術である.また,超高密とは,光波長を広帯域に渡って切れ目無く,かつ高精度に制御する事によって,時間軸や空間座標軸上も含めて情報伝送,処理,記録の大容量化,高密度化を実現する概念である.つまりこの技術の目標は,光波長を広帯域に渡って切れ目無く,かつ高精度に制御する事によって,時間軸や空間座標軸上も含めて情報伝送,処理,記録の大容量化,高密度化を実現することにある. 光波長の有効利用は,近年の波長多重光通信の実現によってようやく端緒に着いたが,本研究で対象とする波長資源の極限的な有効利用を可能とする材料,デバイスの研究は,世界的に未開拓の基礎研究領域であり,次世代の超大容量光通信ネットワーク,超大容量光データストレージなどを推進するには必須の研究分野である.そこで本企画調査研究では,光波長の高精度な制御や操作を可能にする基礎技術として, 1.多波長光源・広帯域増幅デバイスの基礎物性・制御 2.波長制御と超広帯域変調・スイッチングデバイス 3.多波長選択・ルーティング入出力デバイス のそれぞれの重点研究課題について,全国の大学教官14名と産業界からの協力者2名によって項目別調査研究を行った.そして,調査研究活動に先立ち幹事会および全体会議において研究項目,研究題目の確認および役割分担の調整を行い,平成12年1月のシンポジウムにおいて研究中間報告を行うとともに,これらの調査研究結果を成果報告書にまとめた.一方,調査研究と並行して研究平成12年度科学研究費特定領域研究(A)ヘの展開を全体会議および数回に渡る幹事会にて検討して,平成11年11月30日に特定領域研究(A)「波長集積・操作フォトニクス」の領域申請書を文部省に提出した.
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