研究課題/領域番号 |
11F01006
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村井 章介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授
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研究分担者 |
OLAH Csaba 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 日明外交文化 / 朝貢貿易 / 室町時代 / 牙行 |
研究概要 |
(1)史料調査及び史料分析、(2)現地調査という二つの形で研究を進めてきた。 -1 遣明使節の中国における活動については、詳細な研究が希少であることが現状である。本研究の意義は、この研究状況による穴を埋め、「日明外交文化」というタームを提示して遣明使節の活動の実像に迫ることにある。 研究実績は以下の通りである。 遣明使節の外交・貿易活動の実態を把握し、他国使節の活動との比較を行うために、入明記という旅行記及び外国使節の活動について記されている中国側史料の記事を収集・分析し続けた。また、寧波市舶司との比較の対象として福建市舶司に関する史料の『福建市舶提挙司志』、膨大な史料が収録されている『四庫全書』、これらの史料を網羅し、異国使節の外交及び貿易活動についての記事を集めた。その結果、明側の待遇のありかたや朝貢品点検・納入の制度、回賜制度、中国における私貿易に対する理解が一層深まった。遣明使節の中世日本における社会経済的基盤を明らかにするためには、『蔭涼軒日録』、『鹿苑日録』という寺社日記から、いまだ研究の余地が残されている文明年間以降の、遣明使節の準備過程に関する記事を収集した。日本国内における一側面、役者の選任過程、貿易利潤を期待していた様々な勢力の関与が明らかになった。 -2 2012年7月に文部科学省科学研究費補助金による研究プロジェクト「前近代東アジアの外交と異文化接触-日明関係を軸とした比較史的考察-」(研究代表者:村井章介)の研究分担者である山口県立大学の伊藤幸司氏の案内により、同科研のメンバーである須田牧子・岡本真氏を加え、山口県下の大内氏関連史跡・遺跡の踏査を行った。大内氏は日明貿易の末期に独占的な貿易船派遣主体となった氏族であり、中世後期の対外関係の全般にわたってきわめて重要な役割を演じた。以上の調査は、遣明使節の活動を文献史料からは分からない視角から想像するのに貢献するものと思われる。
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