研究課題/領域番号 |
11F01072
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
触媒・資源化学プロセス
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
野村 琴広 首都大学東京, 理工学研究科, 教授
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研究分担者 |
KOTTUKKAL Bijal Bahureyan 首都大学東京, 理工学研究科, 外国人特別研究員
KOTTUKKAL BijalBahureyan 首都大学東京, 理工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | バナジウム / オレフィンメタセシス / アルキリデン錯体 / 配位・挿入反応 / アルキル錯体 / 固定化触媒 / オレフィン重合 / 触媒設計 |
研究概要 |
本課題は、従来触媒で達成できない高効率合成や高機能材料の創製を指向する高性能分子触媒の設計・合成に関する。特にσ・πドナー性のアニオン性配位子を有する(オレフィンと高い反応性を示す)最高酸化数5価のイミド配位バナジウム触媒に注目し、オレフィンの配位やメタセシス重合に超高活性を示す触媒の創製を主目的としている。平成25年度の主な成果は以下の通りである。 1,3-位に置換フェニル基を有するイミダゾリジン-2-イミナト配位子、及び(2,6-ジメチルフェニル、フェニルやアダマンチル)イミド配位子を有する各種バナジウムジアルキル錯体を合成・同定した。これらの錯体をヘキサン溶媒中、PMe_3存在下で加熱することで、金属-炭素二重結合を有するアルキリデン錯体を合成・同定した。このアルキリデン錯体触媒による環状オレフィンの開環メタセシス重合では、活性は使用するイミド配位子の影響を強く受け、フェニルイミド配位錯体では、高温ほど高活性を示した。またベンゼン溶媒中で2,6-ジメチルフェニルイミド配位ジアルキル錯体を加熱すると、アルキリデンとベンゼンとの1,2-C-H活性化を経由し、モノフェニル錯体が得られ、さらに加熱を続けるとジフェニル錯体が得られた。ジフェニル錯体はベンザイン中間体を経由して生成することを明らかにした。このC-H活性化を経由する反応やアルキリデンの生成反応も使用するイミド配位子の影響を強く受けた(学術論文投稿済、改訂中)。イミダゾリン-2-イミナトやイミダゾリジン-2-イミナト配位子を有する各種イミド配位バナジウムジクロリド錯体は、ハロゲン化有機アルミニウム助触媒の存在下、エチレンと環状オレフィンとの共重合に高い触媒活性を示し、超高分子量ポリマーを与え、活性や相対反応性は使用する配位子の影響を受けた(論文受理・掲載)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題の研究を通じて、数多くの新規錯体の合成・同定に成功し、オレフィンの配位重合やメタセシス反応のための触媒設計や有機金属化学種の反応性に関する有用な多くの独自性の高い知見を得た。一方で、学術論文の投稿が遅れ、ようやく2報目の論文の投稿が終了し、審査意見を基に論文を改訂しているとことである。
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今後の研究の推進方策 |
本課題を通じて、触媒反応やC・H結合活性化にはバナジウム触媒の配位子効果が重要な役割を担うことが明らかになった。有用な知見もあるので、今後の関連課題の発展の基盤としたい。
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