研究課題/領域番号 |
11F01094
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
農業環境工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白石 文秀 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授
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研究分担者 |
CHAND Rumi 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 光触媒 / 反応メカニズム / 廃水処理 / 蒸発 / 疎水化処理 / 連続槽型反応器 / シミュレーション / シラン / 太陽光 / 水分蒸発 / 液深 |
研究概要 |
目的1)実用化に即した光触媒による廃水処理プロセスを開発検討する。 成果1)平成23年度の実験結果を受けて、風力攪拌型廃水処理装置5個を直列に連結した槽列型流通式反応器 (CSTR)システムを製作し、UV照射下で2、4-ジニトロフェノール(DNP)水溶液の分解処理実験を行った。その結果、同容積の反応器1個を用いるよりもCSTRとすることで処理性能が大幅に向上することを見出した。また、この向上はCSTRの液流れが栓流に近づくことによることを数式モデルを使って証明した。併せて、攪搾により境膜拡散抵抗が減少し、処理速度が増加することを見出した。 また、酸化チタン粒子を分散させた状態で廃水を処理する以下の2つの派生研究を行った。 目的2)酸化チタン粒子分散水溶液中でのDNP分解反応のメカニズムを明らかにする。 成果2)DNP水溶液中に酸化チタン粒子を分散させて分解処理を行ったところ、分解初速度がDNP初濃度の増加とともに小さくなるという常識に反する結果を得た。そこで、数式モデルを構築して検討を行い、本反応系では正に帯電した酸化チタン粒子近傍に、負に帯電したDNP分子が短時間に凝集するため、凝集層がUV強度を低下させて反応物阻害が生じること、DNP初濃度が低いが0次反応となることなどを明らかにした。 目的1)反応液の水分を蒸発させながら廃液処理を行う方法の有効性を明らかにする。 成果2)光触媒反応は反応器を密閉した状態で行うのが一般的であるが、反応物が揮発しない場合、積極的に水分を蒸発させた方が処理時間短縮や処理後の残液量の減少の点で有利であると推測される。そこで、DNP水溶液を加熱することにより酸化チタン粒子分散液の水分蒸発速度を変えながらDNP分解速度の変化を観察した。その結果、予想通り水分蒸発が多いほど処理速度が大きくなることを見出した。この正当性を数式モデルにより証明した。 以上の成果は、太陽光を光源として廃水処理プロセスの実用化を行う際の重要な知見である。
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