研究課題/領域番号 |
11F01215
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
柴崎 正勝 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 所長
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研究分担者 |
DEVARAJULU Sureshkumar 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所・有機合成研究部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 協奏機能型不斉触媒 / アルドール反応 / チオラクタム / ニトリル / カルベン / 不斉触媒 / ダイレクトアルドール反応 / プロトン移動型反応 / チオアミド / 原子効率 |
研究概要 |
触媒的不斉ダイレクトアルドール反応は、有機合成化学上極めて有用なキラルβ-ヒドロキシカルボニル化合物を廃棄物フリーで合成可能にする高付加価値な有機合成技術である。我々の研究グループでは、ソフトLewis酸/ハードBrφnsted塩基協奏触媒系を用いることにより、ソフトルイス塩基性を有するカルボン酸酸化状態のチオアミド官能基の化学選択的活性化を鍵とする触媒的不斉ダイレクトアルドール反応の開発に成功している。本反応は、syn選択性の発現に限られるというデメリットがあったが、チオラクタムを求核種前駆体に用いるE-enolateを形成させる事で、anti選択的に触媒的不斉ダイレクトアルドール反応が進行する事を23年度に見いだしていた。24年度初頭に本反応を完成させOrganic Letters誌に論文投稿を果たした。24年度は、よりチャレンジングなアルキルニトリルを求核種前駆体とする触媒的不斉付加反応に着手した。アルキルニトリルのα位水素の酸性度は非常に低いため、通常は求核剤としての活性は期待できず、その安定性から溶媒として広く用いられている程度である。本研究では、ニトリルのソフトなルイス塩基性を利用して、ソフトルイス酸による特異的活性化により反応系中で触媒的にニトリルカルボアニオンを発生させ、プロトン移動型の不斉付加反応の実現を目指した。種々検討の結果、RhあるいはIrのカルベン錯体が強力なニトリル活性可能を有することを見いだした。現状では20% ee未満のエナンチオ選択性に留まっているが、不斉カルベン配位子の適切なデザインにより向上の可能性を秘めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
anti選択的な触媒的不斉ダイレクトアルドール反応を完成させ、ニトリルの直裁的不斉付加反応においても解決の糸口をつかむことができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究助成事業は終了するが、本研究課題は継続し、不斉カルベン配位子の探索を行う予定である。
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