研究課題
特別研究員奨励費
島弧環境における活発なマグマ活動と熱水作用に半い、多様な浅熱水性金属鉱床が発達することから、本研究では類似の島弧の地質テクトニクス環境にあるインドネシアと日本両国の浅熱水性金銀鉱化作用の比較研究を行い、Se及びTeタイプに着目した鉱床生成条件と成因の解明を目的とした。ここでは両地域の複数のTe型とSe型鉱床を対象に、入手サンプルの岩石学的記載、流体包有物・安定同位体比測定等の地球化学的分析などを実施した。記載学的研究では、研磨片・両面研磨片等を用いた鏡下観察、EPMA及びBSE像などの検討結果を基に、鉱石鉱物の組織、共生関係及び化学組成を決定した。西ジャワ島の主要金銀鉱床については、主に過去の研究成果を基にした比較検討に加え、特にArinem鉱床では詳細な検討を行った。一方、西南北海道の浅熱水性貴金属及びベースメタル鉱床(現在閉山中)も研究対象としたが、良好サンプルの入手が困難であることから補足的に北大総合博物館コレクションを使用した。西南北海道の金銀鉱床産鉱石は各種含テルル鉱物、一部で含セレン鉱物に富むものがあり、それらは硫化鉱物や硫塩鉱物及び酸化鉱物など多様な鉱物群の随伴を特徴とし、それぞれTe及びSe含有量も様々である。一方、北海道ほど顕著ではないが、西ジャワ島にも同種鉱物群の産出が普遍的に認められ、TeやSeが浅熱水性貴金属鉱床産鉱石に含まれる各種金属元素の主なキャリアーであることが強く示唆された。併せて、鉱石中の脈石鉱物中の流体包有物の均質化温度・塩濃度測定結果と鉱石鉱物組合せを基に、各鉱床の生成条件の推定を行った。また、酷似する極東ロシア、カムチャツカ半島における同種の鉱化作用との比較検討も行った。得られた研究成果は国内外の関係国際会議や学協会等において公表し、最優秀論文賞(国際シンポジウム)及びベストプレゼンテーション賞(資源地質学会)等を受賞した。
(抄録なし)
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Journal of Mineralogical and Petrological Sciences
巻: 109(4月発行)
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