研究課題
特別研究員奨励費
本研究は2つの研究計画を立てた。(1)細菌の薬剤放出ポンプタンパク質の一つであるPfMATE結合し、且つその高解像度の構造解析を達成しうる特殊ペプチドの創出と複合体の構造解析、(2)ヒトエピゲノム制御に関わる脱メチル化酵素群に属するLSD1とヒストンメチル化酵素SMYD3への特殊ペプチド阻害剤の発見、である。本研究を推進するに当たり、所属研究室で既に開発されたRaPID (Random non-standard Peptides Integrated)システムを駆使し、本目的の達成を試みる。(1)のPfMATEに結合する特殊ペプチドの探索、およびその共結晶化による高解像度構造解析は成功し、2013年Nature誌に論文を発表するに至った。またコレラ菌MATEについては、特殊ペプチドの探索を終了し、現在構造解析を進めている。(2)については、LSD1を標的とした阻害剤の探索にも成功したが、阻害活性が数μMと十分でなかった。Warheadを含んだ特殊ペプチドライブラリーを作成し再挑戦したが、これといって芳しい成果が上がらなかった。結論として、全長のLSD1を使って探索した場合、LSD1にアクセサリー領域が多いため、様々な部位との結合する特殊ペプチドが濃縮されることが、阻害剤として高活性の特殊ペプチドの獲得に至らなかったと考えた。現在は、LSD1の活性部位のみを発現したコンストラクトで、再々挑戦を進めている。
1: 当初の計画以上に進展している
(抄録なし)
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巻: (印刷中)
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