研究課題/領域番号 |
11F01381
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
核融合学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 弘亨 東北大学, 金属材料研究所, 教授
|
研究分担者 |
LI Yanfen 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
LI Yanfen 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
LI Y.
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
2,326千円 (直接経費: 2,326千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 726千円 (直接経費: 726千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | Fusion reactor / structural materials / oxide dispersion strenathenine steels / creep properties / microstructure / nano-narticles / corrosion compatibility / electron irradiation / structual materials / oxide dispersion strengthening steels / cerrp prorerties / nano-particles |
研究概要 |
【背景】 酸化物分散強化鋼(ODS鋼)は923-973Kでの高温強度やクリープ特性に優れ、また照射耐性も良好であることから、核融合炉ブランケット構造材料の候補材料として研究が盛んに進められている材料である。本研究では、9Cr-ODS鋼の長期供用を見据えて、高温環境における機械強度および組織安定性、増殖材および冷却材となる液体Liとの共存性、ならびに強化因子である酸化物ナノ粒子の照射下安定性に関する実験的研究を行った。 【実験方法】 9Cr-ODS鋼に対し、核融合炉ブランケット構造材の設計上限温度とされている973Kにおいて真空中最大10000時間の焼鈍実験を行った。熱処理後、試料は室温にてナノ硬度、ビッカース硬度を測定し、973Kにて引張試験とクリープ試験を行った。機械試験前後には微細構造観察として走査電顕(SEM)、特性X線分析(EDS)、後方散乱電子回析(EBSD)、X線回折(XRD)および透過電顕(TEM)を用いて観察、分析を行った。バッチ式腐食試験では液体Li中で873K×250時間の試験を行った。さらに照射試験は阪大超高圧電子顕微鏡を用いて0.75~2MeVの電子照射を673~873Kで実施した。 【結果および考察】 機械強度測定から9Cr-ODS鋼では熱処理に伴う若干の軟化が観察された。このとき粒径は僅かに上昇したものの、粒界関係や粒界密度には影響が見られず、微細組織は安定であり酸化物ナノ粒子による分散強化の効果が確認された。一方でM_<23>C_6析出物は粗大化し、脆化因子であるM _6Cの形成も観察された。 腐食試験後の測定により、わずかな重量減少と表面近傍の硬度低下が観察された。表面観察から不均一腐食が見られ、結晶粒界の優先的腐食が観察された。 電子照射実験では、既往研究とは異なり、実験範囲内の全ての電子エネルギー条件で酸化物ナノ粒子の不安定化が確認された。1MeV程度以下のエネルギーでは酸化物の構成原子のはじき出しは生じず、0.75MeV以下では母相でもはじき出しが生じない条件である。この結果は、はじき出しエネルギー以下のエネルギー付与による酸化物粒子の不安定化、または酸化物粒子と母相界面の原子ミキシングを示唆している。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|