研究課題/領域番号 |
11F01510
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
花方 信孝 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノテクノロジー融合ステーション, ステーション長
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研究分担者 |
CHEN Song 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノテクノロジー融合ステーション, 外国人特別研究員
CHEN Song (独)物質・材料研究機構, ナノテクノロジー融合ステーション, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2013年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | キトサン / ナノ粒子 / CGオリゴでオキシヌクレオチド / TLR9 / 炎症性サイトカイン / CpGオリゴデオキシヌクレオチド / インターフェロン / 核酸医薬 / デリバリーシステム |
研究概要 |
本研究は、生体分子であるキトサンと無機材料のハイブリッドナノ粒子を開発し、日本人の代表的なアレルギー疾患である花粉症の予防および治療のための核酸医薬デリバリーに利用することを目的としている。これまで、キトサンの分子量が核酸医薬であるCpGオリゴデオキシヌクレオチドのデリバリーに及ぼす影響について調べ、キトサン分子量がCpGオリゴヌクレオチドによる炎症性サイトカイン誘導能に逆比例すること、キトサンの脱アセチル化度は炎症性サイトカイン誘導に影響しないことを明らかにした。 当該年度は、キトサンとCpGオリゴヌクレオチドの複合体を作製し、ヒト抹消血単核細胞におけるサイトカイン誘導について検討した。キトサンとCpGオリゴヌクレオチドは、混合による複合化と、マイクロ流路による複合化の2通りの方法で調製した。マイクロ流路は3方向からの流路が合流し、真中の流路からCpGオリゴヌクレオチドを、両側の流路からキトサンを流し、合流点で混合させて複合化した。このマイクロ流路により調製したCpGオリゴヌクレオチド-キトサン複合体は、CpGオリゴヌクレオチドの凝縮が、単なる混合により調製した複合体よりも密であり、キトサンとCpGオリゴヌクレオチドの解離はほとんど観察されなかった。さらにマイクロ流路により調製した複合体は細胞への取り込み効率に優れ、その結果、高いサイトカイン誘導能を示した。本研究から、静電的相互作用によるCpGオリゴヌクレオチドとカチオン性ポリマーとの複合化において、マイクロ流路を利用した調製法が有効であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、核酸医薬であるCpGオリゴデオキシヌクレオチドをキトサンハイブリッド粒子により免疫細胞である樹状細胞に送達し、炎症性サイトカインの効率的な誘導によりアレルギー治療のためのデリバリーシステムを構築することを目的としている。最終的にマイクロ流路によるCpGオリゴヌクレオチドとキトサンの複合化が有効であることを見出し、その成果を論文発表することができたので、おおむね順調に進展したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
科学研究費補助金における本研究は終了したが、マイクロ流路による複合化技術は、様々な核酸医薬とカチオン性ポリマーの組み合わせに応用できると思われる。今後は、この技術を他の核酸医薬へ展開するとともに、さらにマイクロ流路の改良に取り組む予定である。
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