研究課題/領域番号 |
11F01513
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
放射線・化学物質影響科学
|
研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 雅雄 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 主任研究員
|
研究分担者 |
AUTSAVAPROMPOM Narongchai 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 外国人特別研究員
AUTSAVAPROMPOM Narongchai 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2011 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2013年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
|
キーワード | バイスタンダー効果 / マイクロビーム / 重イオン / ギャップジャンクション / 細胞間情報伝達機構 / 細胞増殖死 / 遺伝子突然変異 / 微小核形成 |
研究概要 |
平成24年度に引き続き、独立行政法人放射線医学総合研究所で行われている炭素イオンビームによるがん治療の高度化に資する生物学的基礎研究を実施した。平成25年度は、主に日本原子力研究開発機構イオン照射研究施設より得られた重イオンマイクロビームおよび高エネルギー加速器研究機構放射光科学研究施設より得られたX線マイクロビームの各種線質の異なるマイクロビーム放射線を用いて、ヒト由来正常細胞の微小核形成効果に対するバイスタンダー効果誘導現象とその誘発メカニズムを明らかにする研究を実施した。得られた結果は、重粒子線・X線何れの放射線マイクロビーム照射の場合も、ギャップジャンクション特異的阻害剤の併用の有無に関係なく線量依存的に微小核形成頻度が上昇した。微小核形成パーセントは、ギャップジャンクション特異的阻害剤併用無しで2-10%、併用有りで1-4%となった。今回用いたマイクロビーム照射方法では、マイクロビームディッシュ上の全ての細胞数に対してマイクロビームが照射された細胞の割合は0.04%と計算される。従って、ギャップジャンクション阻害剤有無に関わりなく、マイクロビームの直接ヒットを受けた細胞以外の細胞にも間接的なメカニズムによって微小核が形成されたことを示している。すなわち、染色体異常誘発においてもバイスタンダー効果が誘導されたと結論する。また、ギャップジャンクション阻害剤を併用しない場合は、併用した場合に比べて微小核形成が減少したことから、減少分が細胞間情報伝達機構によるメカニズムで誘発されたバイスタンダー効果であり、残りの分のうち非照射群の微小核形成分を差し引いた部分が照射された細胞よりメディウム中に放出された分泌物で誘発されたバイスタンダー効果であると結論した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置における共同利用研究課題、日本原子力研究開発機構イオン照射研究施設利用研究課題および高エネルギー加速器研究機構放射光科学研究施設における放射光利用共同利用研究課題が採択され、年度内に十分な照射実験のマシンタイム配分を受け、トラブル無く照射実験を実施出来たため。
|
今後の研究の推進方策 |
外国人特別研究員の研究期間は終了したが、引き続き本研究課題の研究を実施して、更なる現象論・メカニズムの解明に努め、放射線によるがん治療の高度化や東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故に起因する低線量放射線被ばくの人体影響評価に資する生物学的基礎研究成果を挙げることを目指す。
|