研究課題
特別研究員奨励費
精巣捻転症は捻転およびその解除によって虚血再灌流(ischemia-reperfUsion : IR)障害が発生する。精巣の捻転を予測することは現状では難しいため、捻転(虚血)中に薬物を投与することによって、造精機能障害を抑制することが重要である。これまで精巣IR障害に対して、精巣虚血前と虚血中にミトコンドリア選択的ATP感受性カリウム(K_<ATP>)チャネル開口薬ジアゾキサイドを投与した。その結果、虚血前投与ではIR障害を抑制できるが、虚血中投与では改善効果が得ることができなかった。本研究では精巣虚血中に、他のK_<ATP>チャネル開口薬および拮抗薬が精巣のIR障害を抑制することができるか検討した。8週齢雄性SDラットにペントバルビタール腹腔内)投与により麻酔下で開腹し、右精巣動静脈をクランプすることで精巣虚血を誘発した。虚血状態誘発120分後に解除して、再灌流24時間を行いIRモデルとした。このIRモデルに対して、薬物投与群として、非選択的K_<TAP>チャネル開口薬クロマカリム(300㎍/㎏)、ミトコンドリア選択的K_<ATP>チャネル1拮抗薬5-HD(40㎎/㎏)、非選択的K_<ATP>チャネル拮抗薬グリベンクラミド(1,5, 10㎎/㎏)を虚血75分後にそれぞれ腹腔内投与した。薬物投与群のうち、グリベンクラミドのみがIR群で上昇した酸化ストレスマーカーの上昇、好中球の浸潤、精細管内で重度の空胞化、精祖細胞の基底膜からの剥落、TUNEL陽性細胞を減少した。これまでK_<ATP>チャネル開口薬がIR障害に対して、抑制効果があることが広く知られていたが、精巣では拮抗薬の虚血中投与がIR障害を改善するという新しい知見を得ることができた。
(抄録なし)
すべて 2014 2013 2012 2011
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (7件)
Neurourology and Urodynamics
巻: 33 号: 3 ページ: 350-7
10.1002/nau.22405
Scientific Reports
巻: 4 ページ: 3822-3822
Andrology
巻: (印刷中) 号: 3 ページ: 458-465
10.1111/j.2047-2927.2014.00199.x
Pharmacological Research
巻: 66 ページ: 325-31
Molecular and Cellular Biochemistry
巻: 369 ページ: 195-204
European Journal of Pharmacology
巻: 691 ページ: 182-9
British Journal of Pharmacology
巻: 163 ページ: 272-282
Journal of Sexual Medicine
巻: 8 ページ: 1638-49
巻: 385 ページ: 201-13