研究課題/領域番号 |
11J00413
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金 瑛 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2012年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | アルヴァックス / ベルクソン / デュルケーム / 場 / 集合的記憶 / 環境(milieu) |
研究概要 |
本年度は、アルヴァックスとベルクソンの記憶論の比較研究と、アルヴァックスとデュルケームの社会学の比較研究を中心に行った。ベルクソンとの比較研究では、アルヴァックスがベルクソンの「持続」という概念から影響を受け、時間論として記憶論を構築している点を明らかにした。そして、過去と現在が持続しているという時間意識が想起される過去にリアリティを与え、この時間意識が言語や空間によってもたらされる点を指摘した。ここでは、野家啓一による物語り論との対比からアルヴァックスの空間論について論じ、「場(milieu)」という概念の重要性を論じた。また、この「場」という概念がデュルケームの社会形態学由来のものであることを明らかにし、記憶の社会性が道徳的な義務感を感じることであり、その義務感が法や宗教といった象徴作用によって成立する点を明らかにした。また、過去にリアリティを与えるのがこの道徳的な拘束力であり、それが関係性の磁場としての「場」の力学に応じて生成される力である点を明らかにした。そして、このような力がもつ性質を、ベンヤミンのアウラ概念を参考にして論じた。さらに、アルヴァックスの比較とは別にベルクソンの記憶論を独立して考察し、記憶の私秘性と集合性をめぐる考察を行った。そこでは、身体的な枠組みを生成変化させることによって記憶の回路が開かれ、集合的記憶が成立するという点を明らかにした。また、複数の枠組みが交錯することで、その残余領域において私秘的な想い出が生成されるという点も明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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