研究課題/領域番号 |
11J00550
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿久根 晋 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2013年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2012年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2011年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | イエズス会 / マカオ / キリシタン史 / 東南アジア史 / 海域アジア史 / ポルトガル / ベトナム / キリシタン / アジュダ図書館 / イエズス会文書館 / イエズス会日本管区 / アジェダ図書館 |
研究概要 |
本年度は以下(1)~(3)の研究を実施し、国内の研究会と国際会議を通じて研究成果を公開した。 (1) ベトナム布教におけるイエズス会日本管区の「適応政策」 宣教師個人書翰、「トンキン布教年報」、ヴァチカン布教聖省所蔵「トンキンのキリスト教徒によるローマ教皇アレクサンドル7世宛て書翰」の分析を通して、イエズス会士によるカテキスタ(現地キリスト教徒の説教師)の育成、宣教師とカテキスタの協働による布教冊子の印刷、カテキスタによる布教活動、布教活動におけるべトナム語使用の実態を明らかにし、ベトナムにおけるキリスト教界拡大の背景を考察した。 (2) アントニオ・フランシスコ・カルディン(イエズス会日本管区の著述家)の布教史 各著作の成立経緯を当時のイエズス会日本管区内外の情勢との関わりから検討するとともに、カルディンの著述業績全体における各著作の位置づけを探った。カルディンの主著『イエズス会の闘い』については、1648年のベトナム鄭阮戦争を扱った第30章と第31章の翻訳と訳註を作成し、ベトナム院朝の官選史書『大南寔録前編』における関連記事と内容面の比較・検証作業を行なった。 (3) イエズス会日本管区の東南アジア布教と日本再布教計画 1620年代にベトナム中南部コーチシナがマカオとマニラと同様に、日本渡航の拠点として機能していたこと、1630年代後期に日本管区の新布教地カンボジアが日本再布教に向けた日本語学習の場として注目されていたこと、1640年代以降の日本報告が東南アジアで活動するオランダ人、華人商人、日本人商人経由の情報に基づいて作成されていたことを明らかにした。さらに、常に拠点とネットワークの構築を意識して活動するイエズス会士の行動特性や、トランスナショナルに活動する諸勢力の相互接触が実現する東南アジア地域・海域の特殊事情についても、より明瞭にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
次年度以降の研究に繋がる一次史料の収集、国際学会と研究会報告を通じた研究成果の公開については計画通り実施することができたが、論文を通じた研究成果の公開については当初の目標を達成することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度および今年度の研究成果および学会・研究会報告を論文として纏め、国内の学術雑誌と海外のジャーナルに投稿するとともに、博士論文の執筆に着手する。
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