研究課題/領域番号 |
11J00657
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金 正旭 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2012年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2011年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | カント / 新カント学派 / 現象学 / 判断 / 論理学 / 真理 / 価値 / 判断論 |
研究概要 |
1.本年度の研究は第一に、ヴィンデルバントの判断論のいくつかの特徴を明らかにすることに成功した。まず、「蓋然的判断」についてのヴィンデルバントの見方を、ジグヴァルトやリッカートのそれと比較することを通じて、彼の論理学が現代において「主張論理」と言われているものを先取りしているということを論じた。この研究の成果は、「ヴィンデルバントの判断論」というタイトルのもと、『実存思想論集』に掲載された。また報告者は、ヴィンデルバントにおける「評価としての判断」という考えが、ブレンターノ的な判断論を換骨奪胎しつつ形成されたものであるということを示した。この研究の成果は、"Brentano and Windelband on Judgement"というタイトルのもと、Nordic Society for Phenomenologyにて発表がなされた。 2.本年度の研究は第二に、ラスクの真理論・認識論をカントやリッカートのそれと比較対照することによって明らかにした。カントが「認識とその対象の一致としての真理」という見方を保持するためにある種の観念論を採用したのに対し、ラスクはカントにおける「うち/そと」の区別に異議を唱えることによって、実在論を捨てる必要はないということを論じた。さらに、知覚の領域にカテゴリー的形式は見られないということから認識論において「当為」を要請したリッカートに対して、ラスクはカテゴリー的形式が知覚においてすでに働いていると主張することによって応じているということを示した。この研究の成果については、「真理の対応説の復権―カント、ラスク、比較論法―」というタイトルのもと日本カント協会にて発表がなされ、同題の論文の掲載が決定したほか、「現代的な知覚研究のための哲学的基礎づけとその体系化」のための研究会ならびにフッサール研究会にてそれぞれ発表がなされた。
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