研究課題
特別研究員奨励費
2013年度は大きく分けて二つの研究成果を得た。ひとつはn-dependent理論についての新しい特徴づけと組合せ論におけるSauer-Shealahの定理との対応関係を明確化したこと、もうひとつはモデルコンパニオンの存在・非存在を判定するいくつかの命題を特にグラフの理論について与えたことである。n-dependent理論はモデル理論における安定性理論の一般化となっている理論であり、特に安定性理論で取り扱われるforking概念をn-dependent理論でも扱えるように理論を整備することが望まれている。本研究ではn-dependent理論の研究の基礎となる成果を得た。とくにn-dependent理論におけるタイプの数の大きさを、組合せ論的方法を用いて評価することに成功した。特に前年まではタイプの数を上から評価する不等式が得られていたが、その不等式が最良であること(等式が成立する場合の具体例が存在すること)を示すことができた。これでn-dependent理論におけるタイプの数とSauer-Shelahの定理の一般化におけるshutter関数の値が丁度対応していることが確認できた。理論TのモデルコンパニオンSとは、ある種のgenericな理論を定式化した概念であり、体の公理Tに対し代数閉体の公理S、全順序の公理に対し稠密全順序の公理などが対応する。本研究ではグラフのクラスKに対しKを排除するグラフのクラスに対し、モデルコンパニオンが存在するかどうかについて研究を行った。とくにKが2-edge連結なグラフのみからなるとき、Kが有限個の"ほとんど"completeなグラフのみからなるときの場合について、それぞれ必要条件と十分条件を与えた。これらは今まであまり光を当ててこられなかった、モデルコンパニオンが存在しない理論の分類に新しい結果を与える物となった。
(抄録なし)
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RIMS Kokyuroku
巻: (印刷中)(未定)
Annals of Pure and Applied Logic
巻: 163 号: 12 ページ: 1891-1902
10.1016/j.apal.2012.05.012
Journal of The Mathematical Society of Japan
巻: (未定)
Tsukuba Journal of mathematics
巻: Vol.35, No.2 ページ: 203-213