研究概要 |
1 調査及び資料収集 平成25年7月6-22日にかけて、サンクト・ペテルブルグ国立文学芸術文書館、およびウラジーミル州メーレンキ地区においてそれぞれ資料収集とフィールドワークを行った。 文書館では、国立宗教・無神論史博物館のソ連における宗教研究に対する寄与について、仏教・イスラーム地域に関するものを中心に、関連文書を収集した。 まだララジーミル州におけるフィールドワークでは、現地で「聖人」としそ崇敬を集める、ソ連時代に実在した盲目の老人の命日の集会に参加した。集会では「聖人」を実際に知る現地住民などを中心に聞き取りを行い、ウラジーミル市ではこの「聖人」の伝記を編纂した郷土研究者から資料提供を受けた。これらは、第二次大戦後のソ連における宗教実践とその継承についての、貴重な証言資料である。 2 成果報告 平成25年4月には、ICCEESの欧州地域コングレス(イギリス、ケンブリッジ大学)で"Religious Practices in Latgale (Eastern Latvia) during the Soviet Era : Catholicism, the Old Believers, and "the Sociajist New Rituals"と題して、社会主義政権下のラトヴィアにおける宗教実践の記憶について、報告した。6月には、「宗教と社会」学会(皇學館大學)で「学術と政治の狭間で : ソヴィエト・ロシアにおける宗教・無神論史博物館の試み」と題し、ソ連時代における宗教研究の発展について報告した。また8月にはEast Asian Conference for Slavic Eurasian(大阪経済法科大学)にて、ソ連宗教学研究の発展の歴史と、その社会学偏重の特徴について、"Heritage of Soviet Atheism, or a New Direction? -The Development of Religious Studies in Russia"と題して報告を行った。
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