研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目は、相転移が起こる速度を特定することと、相転移現象の発生機序を解明することである. 研究計画書に記載した, 「実験1 横方向への移動運動における相転移現象の再現性の検証」に関して、遅い速度では両脚支持期があり跳躍期のない「walk」を選択し、3.5㎞/h以降で両脚支持期と跳躍期のある「gallop」の様式を選択することが明らかとなった。この研究は、2013年8月に国際誌(Journal of Electromyography and kinesiology)に受理された。「実験2 バイオメカニクス的手法による各様式の特徴と相転移現象の解明」に関して、2012年3月に立命館大学と共同で行った実験データをまとめ、8月の日本体育学会、9月の運動学習研究会で発表した。位置エネルギー、運動エネルギーの交換パターンより、Cavagnaらのグループが提唱している振子変換効率を用いて比較することにより、移動メ力ニズムの違いについて検討した。遅い速度でみられる「walk」の様式は振り子的な振る舞いを、速い速度でみられる「gallop」の様式は非振り子的な振る舞いによって為されていることが示された。さらにそれぞれの様式内でも後続脚と先導脚の役割が異なることを明らかにした。2013年8月にも立命館大学と共同で研究を行い、下肢のキネティクス、キネマティクスを算出し、「walk」と「gallop」の移動特性について検討している。これらの研究内容は博士論文としてまとめられ、さらに国際誌に投稿準備中である。以上のように本研究は運動制御、運動生理、バイオメカニクスといったさまざまなスポーツ科学分野で構成されている。横方向の移動運動の様式を分類し、制御メカニズムの違いを理解しようという取り組みは、リハビリテーションや各種スポーツトレーニングに有用な知見を与えることができると考えられる。
(抄録なし)
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European Journal of Sport Science
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