研究課題/領域番号 |
11J02212
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 佑磨 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2012年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2011年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | アオモンイトトンボ / マンシュウイトトンボ / ハラスメント / 進化動態 / 個体群動態 / 数理モデル / 遺伝的多様性 / 多型 / 適応進化 / 群集構造 |
研究概要 |
進化動態が生物の人口学的動態に影響を与える可能性については古くから議論されているものの、野外における実証例は皆無である。本年度は、23年度にサンプルリングを行なったアオモンイトトンボに関してデータの解析と遺伝情報の解析を行なったところ、本種における遺伝的多型(色彩多型)の進化が、集団の人口学的動態に影響を与えることが明らかになった。また、スウェーデンのルンド大学の敷地内で3m×3m×3mの屋外ケージを設置し、その中にアオモンイトトンボの近縁種であるマンシュウイトトンボを放逐するという実験を行なった。実験では、集団密度や色彩型の頻度を操作し、それらが個体群パラメータに与える影響を解析している。その結果、アオモンイトトンボの場合と同様、遺伝的多様性の高い状態で、集団の増殖率が最大になることを見出した。また、遺伝的多様性が高い状態でメスがオスからのハラスメントのリスクが低くなることを通じて、遺伝的多様性が増殖率に影響することが明らかになった。さらに遺伝的多様性の増加と個体群動態の関係は、数理モデル及び個体ベースシミュレーションによっても裏付けることができた。これらの結果は、進化動態と人口学的動態の密接な関係を強く示唆するものであり、進化動態や人口学的動態の真の理解を可能にするものである。より詳細な解析が進み、理論の一般化に成功すれば、生物の保全などへの応用も可能になるだろう。
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