研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、遷移金属触媒を用いたフラーレン(C_<60>)の選択的新規アルキル単官能基化反応および二置換反応の開発を目的とした。平成24年度では、研究計画通り種々の金属触媒を用いたフラーレンの効率的な官能基化の開発と有機薄膜太陽電池への応用に成功した。1.コバルト触媒を用いたフラーレンのモノ官能基化反応による新規有機薄膜太陽電池のアクセプター材料の創出。私は23年度において既にコバルト触媒を用いた効率的かつ高選択的モノアルキル官能基化反応の開発に成功した。本研究で、私はコバルト触媒を用いたモノ官能基化反応を拡大することで様々な置換基、例えばメトキシやエステル基などを導入することで官能基化フラーレンの溶解性の向上とLUMOエネルギー変化によりP3HTをドナー材料として有機薄膜太陽電池においての新規モノ官能基化フラーレンアクセプター材料の評価を行った。その結果、2-メトキシ-4-エステル置換基を有するモノベンジルフラーレン(2-MeO-4-CO_2Me-BnHC)が変換効率3.75%でPC_<61>BM(3.78%)とほぼ同じ変換効率を示すことを見い出した。これらのアクセプターの新規性と効率的合成法および高い光電変換効率から、本研究で得られた新規官能基化フラーレンは有望である。2.NaOH触媒を用いたモノ置換フラーレン誘導体の二量化反応。23年度で私は、銅触媒を用いることでモノ官能基化フラーレンの効率的な二量化反応の開発に成功し、様々な単結合フラーレン二量体を合成した。本年度では、高度な共役フラーレン骨格により活性化されたヒドロフラーレン生成物の炭素-水素結合に着目し、ある種の塩基触媒を用いることにより、生成したアニオン種の空気酸化によりモノラジカルが形成しフラーレン二量体が得られると考えた。種々の塩基触媒と酸化剤の検討の結果、モノアルキルヒドロフラーレンがNaOH触媒と空気酸化剤の存在下室温で、フラーレン二量体が効率的に得られることを見出した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)
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http://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/~yamamoto/index.html